OJTとしてお仕事を頂いたのが、2006年頃だったと思います。
夫の転勤に伴い、アメリカ、シンガポール、オーストラリアと英語圏で暮らしており、英語は生活する上で、大変重要なツールでした。帰国後翻訳学校に通いました。
翻訳学校で、多分段ボール3箱分は勉強したと思います。
当時、「10年勉強して、やっと一人前」などと言われておりました。
専門は「契約書」「ビジネス文書」など企業関係ですが、最近は書籍の下訳を数名で行うことが多く、私自身は自分のペースで仕事を進めることができ、高品質な仕事ができると思っています。
納期というのは、「死守」であり、翻訳者にとっては金縛りのようなものです。
クライアントに迷惑をかけることがあってはいけません。
納期に間に合わないと思った時は、「お受けできません」とお断りしております。
作業をしている私達には、クライアントの顔が見えませんが、文書を通し、さまざまな顔が浮かんできます。多分それが、この仕事を続ける所以なのかも知れません。作業に入る前に文献やインターネットで、できるだけ多くの資料を読みますが、これまで知らない世界であることが多く、どの情報も次の仕事の糧になります。
・・・とは言え、黙々とパソコンに向かうばかりが人生では、もちろんありません。
まずは健康であること、愛犬との散歩とジム通いが翻訳業を支える大きな柱です。
心掛けていることは、なんといっても「体調管理」です。
これまでに本当に大変だったと思う仕事は、S&P社の「金融用語集」をグループで訳した時でしょうか。恩師を中心に単語帳を作り、何度も何度もお互いに訳文をチェックし、同じ単語で訳語が異なっていないかなど、完成するのに4ヶ月以上かかりました。いつの間にか季節が変わってました。翌年出版された時は、本当に嬉しかったです。
翻訳業務も機械化がどんどん進んでいるようですが、まだまだ「経験を積んだ職人技」が求められているのも事実です。地味ですが、そのような職人に一歩づつ近づきたいと思っています。
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