熟年で大学に入学したら、コンピュータは分からないわ、頼る人はいないわで大分白髪が増えました。入学当初のショック状態から少し立ち直って、先生方やクラスメートにそう悪い人は居ないと分かると授業にも身が入りだし、なんとかよちよち歩きを始めたのですが、そんな中で出会ったのが言語とコミュニケーションの科目です。実際は異文化コミュニケーションという一部分がおもしろかったのですが、興味があると長く印象に残るものだと先日古い教科書をリサイクル処分に出しながら思いました。授業中に紹介されたのはホフステード(G.
Hofstede) の文献で、それには53ヶ国あるいは地域を調査した結果、日本とNZ間では「不確実さの回避」(Uncertainty avoidance)に32位もの差があると書かれていました。つまり日本人は確実なものにはめっぽう強いが不確実なものはできるだけ避けて通りたい。逆にNZ人は不確実でもそう驚かず何が来ても比較的平気、あるもので間に合わせる事に長けているというのです。なるほど同じ状況でも私は真っ青、無口でオロオロ、NZ人は慌てず交渉解決の構図にぴったり当てはまる説明でした。目からうろこが落ちたようで、別に一皮剥けたわけではありませんが、とてもすっきりしたのを覚えています。大学に行かなければ出会わなかったであろう本の一冊です。
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