学術論文の翻訳を翻訳会社に依頼するメリットとは?
翻訳会社に学術論文の翻訳を依頼するメリット
論文翻訳を専門家に依頼できる
論文の翻訳には高度な英語力だけでなく、その分野に該当する専門的な研究領域の知識や研究・出版経験が欠かせません。また、研究内容を正確に読みやすく翻訳するには豊富な翻訳経験や学会・学術誌などで使われる表現の理解も必要です。
翻訳会社によって得手不得手はあるものの、専門領域に精通した博士号・修士号を取得した翻訳家が在席している会社も数多くあります。自身の専門分野に精通している専門家に依頼することで、自身では言語化が難しかった内容も適切に表現してくれるでしょう。
研究に費やせる時間を増やせる
学術論文には専門的な学術用語が多く含まれているため、研究者が語学に明るくない場合、研究に充てたい時間の多くを翻訳作業に割かなければなりません。語学が得意な研究者であっても、英語論文を作成し翻訳の不備チェック・修正作業までを行うとなると長時間の翻訳作業が発生します。
翻訳会社に依頼すれば翻訳作業の負担が軽減され、研究時間の確保が可能になります。複数の論文を一括翻訳したり複数言語への翻訳を行う場合は、より大きな効果を発揮してくれるでしょう。
ジャーナルへの掲載率を高める
学術論文翻訳サービスは、多くのジャーナルに掲載させてきた経験から、研究成果を「よりよく、楽に読める」ための工夫を翻訳時に取り入れています。研究者にとって研究成果を学術ジャーナルに掲載することは、学問の世界での存在感を示す重要なステップ。しかし、質の高い研究成果であっても論文の書き方や言語の壁からジャーナルへの掲載が遠のくケースは少なくありません。
また、ジャーナルによって好まれる文章形式や表現は異なるもの。論文翻訳に特化した翻訳会社であれば、投稿するジャーナルの評価基準に合うように英文を磨き上げ、論文の掲載率アップに貢献してくれます。
効率的に英語論文の情報収集ができる
論文を執筆する際は投稿目標であるジャーナルに掲載されている論文を読み、その基準の理解からスタートします。しかし、英語論文を選定し、精読するには時間と高度な英語力が求められるもの。語学が得意ではない研究者にとっては必要な情報を知るだけで時間が掛かり、研究に活かす時間が減ってしまいます。
論文翻訳サービスを利用すれば、研究者は翻訳作業を短縮して効率的な情報取集が可能になり、本来時間を費やしたい研究作業に没頭できます。
ネイティブチェックにより翻訳の精度が高まる
翻訳された論文が受け入れられるためには正確に翻訳されるだけでなく、読み手にとって自然で理解しやすく、違和感のない文章であることが求められます。しかし、非ネイティブによるチェックでは、些細なニュアンスの違いの確認は困難です。
翻訳会社のネイティブチェックでは、翻訳された文章がネイティブの視点から文章の自然さ・正確性・論文に適した形式であるかをチェック。研究の成果をより確実に伝えられるように翻訳論文の精度を高めてくれます。
目的別:学術論文を翻訳会社に依頼する際のポイント
翻訳会社に依頼する前に「何の目的で翻訳するのか」「翻訳文を何に使うのか」を明確にすることが重要です。目的を明確にすることでその内容や文章形式の調整が可能になり、さらに翻訳の品質だけでなく目的に合った翻訳会社も選びやすくなります。
ジャーナルへ論文の投稿をするため
医学ジャーナルを含む学術誌への論文投稿では、内容の厳密な精査が行われます。この精査をクリアするためには専門翻訳者による翻訳だけでなく、第三者による校正・ネイティブスピーカーによる自然な英語への調整・投稿規定の遵守確認といった複数のサービスを組み合わせられるかがポイント。ジャーナルの受理率を高めるためにも多様なオプションを用意している翻訳会社を選びましょう。
国際学会で発表を行うため
国際学会の発表では研究内容を英語で短くまとめた「抄録(しょうろく)」の提出が求められますが、抄録の作成時には学会の単語数等の規定を遵守しなければなりません。また、抄録は研究の第一印象を決めるため、クロスチェックやネイティブチェックを行い、正確で読みやすい英文に訳すことが必要です。
海外の論文を翻訳し、内容確認をするため
世界中で発信される研究論文は、最新研究のキャッチアップや研究者同士の情報共有に不可欠。しかし、研究論文の多くが英語で出版されるため、英語に不慣れな研究者にとっては内容の理解が困難です。
内容を把握する目的であれば、必ずしも翻訳精度が高品質な必要はありません。機械翻訳とポストエディット(機械翻訳エンジンの翻訳結果を人が修正する手法)を併用し、コストを抑えつつ迅速に翻訳を仕上げることも手段のひとつになります。
学術論文の翻訳会社の選び方
依頼したい分野を得意としているか
論文の翻訳には、その専門分野に精通した翻訳者が求められます。学術分野は細分化されており、例えば情報科学内でも確率論やグラフ理論などの知識が求められ、大きな括りとしての学術分野ではなく、研究領域の最小単位での専門性が必要です。また、研究の意義・価値を正しく伝える能力も求められます。
翻訳会社を選ぶ際には、専門領域に対応できる翻訳者が在籍しているのか、公式サイトから翻訳者のプロフィールや会社の実績を事前に調査しましょう。
目的の学会や学術誌への実績があるか
翻訳を依頼する際は目的とする学会や学術雑誌がすでに決まっていることが前提となるため、目的の学会や学術誌への実績を持っている翻訳会社かをチェックしましょう。
学術雑誌にはそれぞれ基準や好まれる言い回しなど違いあるため、それらに対応している必要があります。目的の学術雑誌や学会への投稿経験がある翻訳会社であれば基準を満たす高品質な翻訳を期待でき、学術論文が受理されないといった事態を防げるでしょう。
アフターフォローをしてくれるのか
学術論文の翻訳では、翻訳後のアフターフォローの充実が大切です。返却された論文を自分で確認し、修正が必要となった場合や学術雑誌に投稿し審査で却下されてしまった場合も適切に対応できる翻訳会社を選びましょう。そのためにも、無料で何回も担当翻訳者に相談ができる環境や翻訳された論文の再修正のサポート、審査コメントへの対策提案といったアフターフォローの確認が大切です。
依頼前に翻訳会社が提供するサービスの内容と範囲を把握し、自身の利用方法と合致するか確認しましょう。
機密保持契約が結べるのか
学術論文翻訳において、機密保持の契約ができるか否かは極めて重要です。研究内容には未公開のデータ・発見内容が含まれることが多く、これらの情報が発表前に漏洩すると研究成果の価値が損なわれ、研究者にとって大きな被害を及ぼす恐れがあります。
翻訳会社を選ぶ際は、機密保持契約(NDA:Non-Disclosure Agreement)を結べる会社を選ぶようにしましょう。
大学名・機関名を公表しているか
どのような機関から信頼を得ているのか、また得意としている専門分野や専門性の高さを図るため、大学名や機関名の公表の有無は参考になります。取引実績がある場合、その翻訳会社は特定分野での翻訳品質や専門知識を持っていると考えられるためです。
公式サイトに情報がない場合は直接翻訳会社に問い合せれば、その対応や回答からも翻訳サービスの質や信頼性を見極められるでしょう。得意とする分野に対しては質問の理解が深く、的確な回答をしてくれるはずです。
誤訳リスクへの対策を行っているか
学術論文の翻訳を依頼する上で気をつけなければならない大きなポイントが「誤訳」の問題です。誤訳が起きれば文章の意味は全く別のものになり、研究の成果が異なった内容として伝わってしまいます。
信頼のおける翻訳会社であれば、誤訳を未然に防ぐために複数のチェックポイントを設け、厳格な品質管理プロセスを実施しているはず。この工程には翻訳文の校閲・レビュー・母国語翻訳者によるネイティブチェックなどが含まれます。会社を選ぶ際にはどのような誤訳対策を行っているかを確認するようにしましょう。
料金は適切か
翻訳会社への依頼を考える場合には、料金の相場を知ったうえで適切な設定をしている会社かチェックしましょう。
専門分野別の料金目安は下記になります。
翻訳料金の相場
- コンピューターマニュアル…28円(英文→和訳)、20円(和文→英訳)
- 一般科学・工業技術…28円(英文→和訳)、21円(和文→英訳)
- 金融…30円(英文→和訳)、25円(和文→英訳)
- 経営管理・財務・契約書…30円(英文→和訳)、25円(和文→英訳)
- 医学・医療・薬学…35円(英文→和訳)、30円(和文→英訳)
- 特許明細書…26円(英文→和訳)、30円(和文→英訳)
ケースクエアの料金目安(英日・日英翻訳の料金は基本同じ)
- 契約書・法務関連…10~13円(英文→和訳)、10~13円(和文→英訳)
- 技術関連…9~12円(英文→和訳)、9~12円(和文→英訳)
- 医学関連…10~14円(英文→和訳)、10~14円(和文→英訳)
- 財務関連…10~12円(英文→和訳)、10~12円(和文→英訳)
弊社・ケースクエアは、翻訳料金の相場と比べて半額近い料金で翻訳サービスを提供しています。初回ご依頼特別割引・特別割引(大口注文・定期的な利用者)といった割引もご用意しており、さらにお得に翻訳できる可能性も。
無料トライアルも対応可能ですので、翻訳の質が心配な方もぜひご相談ください。
学術論文を翻訳会社に依頼する流れ
問い合わせ・見積り
翻訳の内容とともに、機密保持契約・論文に対する守秘義務契約・アフターフォローなどを確認。サービスに関する疑問点を解消した後、翻訳を依頼したい内容をもとに料金の見積もりを出してもらいましょう。
見積りが届くまでには時間が掛かるため、翻訳会社の比較をスムーズにするためにも複数の会社から並行して見積りを取っておきましょう。
翻訳作業・納品時
翻訳を依頼する翻訳会社を決めた後は、具体的な翻訳についての話を進めます。目的とする学会・学術誌の情報や翻訳の仕方などの要望を細かく伝え終えたら、翻訳作業がスタート。納品後は希望通りに翻訳されているかを確認しましょう。
支払い・アフターフォロー
納品後に支払うのが一般的ですが、翻訳会社によっては納品前や一部を前払いするケースもあるため、事前に支払い条件は確認必須です。
また、翻訳された論文の再修正や査読コメントへの対策などのアフターフォローは最大限活用しましょう。1年以上の長期間アフターフォローを提供している会社もあるため、フォローの範囲や期間については事前の確認がおすすめです。