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ChatGPTで翻訳した文章の著作権は誰のもの?気をつけるべき事とは?

ChatGPTで翻訳した文章の著作権はどうなる?

ChatGPTが生成した翻訳文章の著作権の所在は?

ChatGPTの規約を確認すると、基本的に著作権はChatGPTに文章や画像を生成させた利用者(質問したり要望した人)にあります。また、ChatGPTによってコンテンツを作成した場合、著作権だけでなくコンテンツに対する責任が発生します。作成したコンテンツによって文章の誤りがあったり他者を傷つけるケースに発展したりした場合、その責任はChatGPTや開発元(OpenAI社)ではなく作成した人に発生するのです。
ChatGPTを活用した翻訳を行う前には、ツールを使うすべての人が著作権の所在と使用することによって発生する責任やリスクに関して理解しておく必要があります。

ChatGPTの翻訳文章は商用利用できる?

ChatGPTで訳した文章は、規約を遵守していれば商用利用(出版や販売など)が可能です。ただし、他者の権利を侵害したり創作物を悪用したりするのはNG。ChatGPTで出力したものをそのまま利用する場合は、「ChatGPTによるものであることが明確になっていなければならない」という点に注意しましょう。

ChatGPTにおける著作権問題・課題とは

近年、OpenAI社が機械学習のために使ったテキストや画像に関しての利用許諾をとっていないことが問題となっています。

<OpenAI社の著作権問題の例>
・ネットユーザーによるプライバシー・著作権等の侵害訴訟
2023年6月28日、カリフォルニア州、フロリダ州、ニューヨーク州のインターネットユーザーは、ChatGPTが学習過程で何百万人ものSNS上のコメントやブログ投稿、ウィキペディアの記事内容などを使用して著作権・プライバシーを侵害したとして、OpenAI 社に対しての集団訴訟を起こした。

・作家やコメディアンによる著作権の侵害訴訟 2023年6月28日、作家の Paul Tremblay 氏とMona Awad 氏は、「ChatGPTが自著の内容の要約をほぼ正確に作成可能なのは自著に関する知識で学習されたことを意味する」としてOpenAI 社の著作権侵害を提訴。
また、2023年7月7日にはコメディアンの Sarah Silverman 氏、作家の Christopher Golden 氏および Richard Kadrey 氏も自身の著作物が使用されたとしてOpenAI 社を提訴している。

※参照:JETRO NY 知的財産部「生成系 AI に対する著作権侵害等の訴訟の動き」

ChatGPTは、ネットワーク上に溢れているさまざまな文章や画像などを機械学習によって認識し、活用するAIです。つまり、ChatGPTによって生成されたコンテンツ(文章や画像)は著作権を侵害している可能性があるのです。

ChatGPTが英語を日本語に翻訳する際、一般的な日本語訳をするのではなく多くの人にとって馴染みのある言葉や言い回しを活用することがあります。オリジナリティのある訳し方をChatGPTが行った場合は、「すでに誰かが行っていないか」「誰かの著作物などにないか」を確認しましょう。

ChatGPTを使った翻訳で気を付けるべきこと

元の情報やデータの権利者を確認する

ChatGPTがコンテンツを作成する際、文章に含まれているデータや数値などの情報は必ず確認が必要です。
例えば、特定の情報やデータを参照している場合や「~~によると」といった前提の翻訳をしている場合には、そのデータが正しいかどうかの事実確認は必須。また、参照先のデータに利用規約がある場合、規約違反にならないよう利用上の注意点もチェックしましょう。

作成した文章と類似した内容がないか確認する

ChatGPTで生成したコンテンツが他の著作物と類似していないか、コピペチェックツールやサイトを活用した確認をしてください。
ChatGPTが生成するコンテンツのもとになっているのは、既に誰かが作成したもの。そのため、利用者が意図しておらずとも著作権侵害になる可能性を含んでおり、確認せず公開してしまうとトラブルを引き起こしかねません。
ChatGPTの精度を信じ過ぎることなく、類似した内容がすでに存在していないか必ずチェックしましょう。

個人情報や機密情報は入力しないようにする

ChatGPTは入力された内容を学習データとして活用するため、入力したデータが意図せず別の利用者の出力結果に利用される可能性があります。
2023年には、大手企業によるChatGPTの利用が元で複数の情報漏洩が確認されたことから多くの企業がChatGPTの業務活用を制限しました。トラブルを避けるためにも、翻訳を行う際には翻訳元の文章に個人情報や企業情報が入っていないかなどの事前チェックが必要です。

定期的に利用規約を確認する

ChatGPTを活用する際には、定期的に利用規約をチェックしましょう。利用規約は定期的にアップデートされているため、利用当時は利用に制限がなかったとしても時間経過とともに変更が加わっている可能性があります。意図せず規約違反をしてしまうことのないよう注意してください。

海外利用をする際は現地の法律を確認する

ChatGPTの学習データには、日本の情報だけでなく海外の情報も含まれています。法律は現地の法律が優先される傾向にあるため、日本の法律を基準にすれば問題がない状態であっても思いがけず海外から訴えられる恐れがあるのです。
トラブルに発展する前に、利用する現地の法律を理解して遵守しましょう。