英語契約書を作成する場合の日本との違い、注意点とは?
英語契約書作成の基礎知識
英語契約書とは
英語契約書とは、国境を超えて締結される英語で作成された契約書のこと。今や英語圏の企業との契約だけではなく、英語を母国語にしない国の企業同士でも英語契約書が用いられることが一般的です。 英語で作成された契約書であるという理由で英米法の縛りを受けるわけではありませんが、英語は世界の商取引を牽引してきたという背景があることから、企業同士の契約や紛争においても、英米法の影響を受けざるを得ません。そのため、英語契約書を作成する翻訳者においては、英米法の法理や判例、商習慣などを理解しておく必要があります。
英語契約書の種類
英語契約書には、主に次のような種類があります。
- 売買契約(Sales Agreement)
- ライセンス契約(License Agreement)
- 秘密保持契約(Non-disclosure Agreement)
- 販売店契約(Distributorship Agreement)
- 販売代理店契約(Sales Agency Agreement)
- サービス契約(Service Agreement)
- 技術提携契約(Technical Collaboration Agreement)
- 合弁事業契約(Joint Venture Agreement)
- M&A 契約(Merger and Acquisition Agreement)
- 雇用契約(Employment Agreement)
英語契約書と和文契約書との違い
英文契約書に比べると、和文契約書は簡素で分量が少なめ。日本の場合、何らかの紛争が生じた際には都度解決していこうという考え方があるため、最初に交わす契約書自体は簡易的となっているのです。
一方で英語契約書は非常に内容が細かく、かつ分量も多め。英語圏には「契約書に記載されていること以外は存在しない」という考え方があるため、将来的に起こり得る全ての懸念事項を最初の契約書の中に折り込む傾向があります。
また、和文契約書は相手企業にも配慮した内容になっていることが一般的ですが、英語契約書は自社に有利な内容が中心となることが一般的です。
英語契約書を作成するなら知っておくべき7つの注意点
契約先で適用される法律に違反しないか確認する
英語契約書は、英米法に沿って作成することが原則ですが、加えて相手企業の国の法律に反しないよう作成することも必要です。
契約違反・債務不履行に関する対応は必ず決める
故意や過失による契約違反・債務不履行に関してはもちろんですが、自然災害などの不可抗力による契約違反・債務不履行についても、責任の所在や割合を取り決めておく必要があります。
合意内容を漏れなく記載する
英語契約書には「文書重視」という習慣があります。いかに強く口頭で約束したことがあったとしても、契約書に文書として記載されていないことは、原則として効力を持ちません。契約書には合意内容を漏れなく記載しておくべきでしょう。
契約内容を曖昧にしない
契約条項の記載にあたり、曖昧な表現を用いないように注意します。たとえば、条項の中に「~しなければならない(義務)」という意味を添える場合には、一般的義務を表す「must」ではなく、個別での義務を明示する「shall」を用いたほうが良いでしょう。
英文契約書での用語を理解する
英文契約書に特有の表現・言い回し・専門用語があります。意味が同じという理由で任意の用語を用いるのではなく、必ずよく使われる定型の用語を用いるようにしましょう。
会社名・所在地・氏名・日付の英語表記に注意する
会社名、所在地、氏名、日付は正しい英語表記で記載するよう注意が必要です。実に基本的なことですが、これらの表記ミスは意外に少なくありません。
必ずリーガルチェックを入れる
英米法や取引先の国の法律に反していないかどうか、また将来的に紛争が生じた際に自社に不利にならないかどうか等について、契約締結前に専門家からリーガルチェックを受けることが必要です。
英語契約書の基本的な構成
英語契約書には基本的な構成があります。大半の英語契約書は、上から順に次のような構成にしたがって作成されています。
タイトル
冒頭一行に独立する形で「PRODUCT SALES AGREEMENT(製品販売契約)」などのタイトルを置きます。タイトルには法的効果がないので、どのような内容でも構いません。
頭書
契約締結日、契約当事者の氏名・所在地、法人の設立準拠法などを記載する部分が頭書です。
前文
契約当事者間において、その契約に至った背景・経緯を記載する部分が前文です。前文の最後に「以下の通り合意する」と記載し、次へのつなぎとします。
定義条項
契約書内で使用する用語の定義を明確にします。定義された用語であることを強調する意味で、用語を大文字にしたりクォーテーションマークで囲んだりします。
本文・一般条項
契約当事者間における具体的な取引内容、および権利・義務などについて記載する部分が本文です。契約書の中で最も重視される部分でもあります。
本文の後に一般条項を記載します。契約の運用や紛争解決方法などについて、当事者間で合意した内容が一般条項となります。
末尾文言
「当契約が交わされたことを証明するため、両契約当事者の代表に署名させた」という旨の文言を末尾に記載します。
署名
両契約当事者の代表が、契約書の最末尾に署名をします。
英語契約書の作成はプロに依頼するのが安心!
英語契約書を作成する場合、英米法の法理や判例を理解した上で、契約相手の国の法律にも反しないように仕上げる必要があります。また、契約対象となる商品やサービス、業界などの専門知識も必要です。
英語契約書の作成には非常に高いスキルが要求されるため、プロの翻訳会社に作成を依頼するべきでしょう。
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