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英文契約書の一般条項(General Provisionss)とは何を指す?

英文契約書に共通した規定「一般条項」

契約書の内容に関わらず、英文契約書において定められる一般的な条項を「一般条項」といいます。
英語ではGeneral Provisions(一般条項)、あるいはBoiler Plate Clauses(ボイラープレート条項)と呼ばれ、英文契約書に非常に多く見られる規定です。

直接の契約内容とこの一般条項を見分けることで契約内容をスムーズに理解することができるため、契約締結の際には知っておきたいところ。

さらにいえば、一般条項は契約の解釈と成立に密接に関わるケースもあるため、知っておいて損はありません。

一般条項はいくつかの定型があり、主に使われるのは10種類程度。例えば「Term(契約期間)」や「Confidentiality(秘密保持)」、「Force Majeure(不可抗力、いわゆる免責)」などが挙げられます。

主要な一般条項を解説していきますので、英文契約書の基礎知識としてぜひ頭に入れておきましょう。

英文契約書の主な一般条項とその意味

Term(契約期間)

契約がいつからスタートしていつ終了するのか、始期(発効日)と終期(契約満了日)を明示したのがTerm(契約期間)。
具体的な契約期間のほか、満了後に更新が可能かどうか、自動更新となる場合はその旨についても併記されるのが一般的です。

Termination(契約解除事由)

契約がどのような場合に解除できるかを記載したのがTermination。例えば債務不履行、破産などが起こった場合は当然ながら契約解除としたいところですから、具体的な契約解除事由を詳しく明記しておきます。また、解除する場合はどのような手続きを踏むべきかも明記されます。

Assignment(譲渡禁止)

Assignability、あるいはNo Assignmentとも書かれる場合がありますが、いずれも契約の譲渡に関する規定を記す項目。

契約により発生する権利や義務を相手に無断で他者に譲り渡すことを禁ずる旨が記載されます。

Force Majeure(不可抗力)

天災や戦争、ストライキなど、契約期間中に当事者の責任の範囲外で起こった事象によって契約上の義務を履行することが困難になった場合、不可抗力として責任を問わないという免責条項です。

Confidentiality(秘密保持/守秘義務)

契約にあたって知りえた双方の秘密情報(外部に開示されていない内部情報)を第三者に秘匿することを記した条項です。

契約交渉が長期に渡る場合、双方が情報開示をすることで契約条件等を検討するために、本契約の前に秘密保持契約(Confidentiality Agreement)を結ぶこともあります。

Notice(通知)

契約解除などの契約において重要な意思表示をする場合、その通知について明確にしておくための条項。具体的には、通知を受け取る者(受領権限者)・通知方法・通知の送付先などが規定されます。

Governing Law(準拠法)

英文契約書、つまりは国際取引ならではの条項といえるのがGoverning Law。Applicable Lawともいい、契約についてどこの国の法律を適用して解釈するのかが規定されます。

一般的には契約を取り交わす双方いずれかの国の法律が適用されますが、中立の第三者国のものが適用されるケースも。

また、契約上で準拠法を定めていても一部の国(中南米のコロンビアなど)ではそれが認められず、相手国の法律に準拠すると契約を取り交わしていても裁判となった際は自国の法律を適用させることがあります。

Jurisdiction(裁判管轄)

契約に関して当事者の間で紛争が生じた際、どこの国のどこの裁判所で裁判を行うかを規定します。

管轄裁判所は自由に決めることができますが、規定された裁判所だけを管轄と定める専属的合意管轄(exclusive)と、定められた裁判所が裁判管轄となりつつも法律によっては追加で他の裁判所を裁判管轄にできる非専属的合意管轄(non-exclusive)があります。

Entire Agreement(完全合意)

契約以外の内容を口約束したり解釈が変わってしまうことが無いよう、「この契約書に掛かれていることだけが当事者が合意しているすべてである」ということを明文化した条項になります。

No Waiver(権利放棄)

例えば軽微な契約違反が起こった際、相手方が特にそれを咎めず、結果的に受け入れた形になってしまった…ということがありますが、この条項は「当事者が契約で定められた権利を行使しなかったからといって、その権利は失われない」ということを規定しています。

Severability(分離可分性)

和文契約書ではあまり見かけない条項のひとつ。具体的には「契約上のある条項が管轄裁判所に無効と判断された場合であっても、その契約中の他の条項には影響を及ぼさず、契約は有効を維持する」ということを記した条項です。

一般条項には他にも細かなものが複数ありますが、多くの英文契約書で見られるのは主に上記のとおり。

和文契約書でもよく見られる条項のほか、国際取引ならではの条項もありますが、それぞれの意味と理由を知ればなぜ一般条項となっているかが理解できるでしょう。

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