Google翻訳で契約書の翻訳をすることのリスクとは?
Google翻訳は契約書を翻訳できる?
以前に比べると、Google翻訳の翻訳精度は大きく向上しています。ですが、向上しているとは言え、少なくとも2022年現在においてはGoogle翻訳によるビジネス契約書の翻訳は難しいと言わざるを得ません。その理由を3点ほど見てみましょう。
業界ごとに慣習が異なる
正しくビジネス契約書を翻訳するためには、正しい英語翻訳をすることはもとより、翻訳の対象となる業界特有の商習慣を踏まえなければなりません。なおかつ、各業界の商習慣は常に変化しています。Google翻訳は、これら商習慣を背景にした正しい翻訳ができる水準には達していません。
法律が常に更新される
商習慣と同様に、各業界における法律は頻繁に変化(改正)されています。そのため、ビジネス契約書を正しく翻訳するためには、永続的に変化を続ける法律を常にキャッチアップする必要があります。現状のGoogle翻訳には困難な部分となるでしょう。
多岐に渡る情報収集が必要
ビジネス契約書を作成するためには、翻訳能力とあわせて契約書の対象となる商品・サービスの十分な知識が必要です。また、知識は常にアップデートされています。Google翻訳の情報収集能力や情報のセレクト能力は、まだビジネス契約書に必要なレベルではありません。
Google翻訳以外の無料翻訳ツール
参考までに、Google翻訳以外の代表的な無料翻訳ツールをご紹介します。
Weblio翻訳
単語や熟語、フレーズなどの検索のほか、文章の翻訳機能も搭載しているWeblio翻訳。入力(コピペ)した英語や翻訳した英語を音声で確認できる機能もあるため、リスニングやスピーキングの練習用サイトとしても人気です。
エキサイト翻訳
後述するDeepL翻訳に比べると翻訳精度が下がると言われることがありますが、それをカバーするように翻訳の対象分野を選択できる機能を搭載。分野に応じた適切な翻訳、適切な表現を自動的にセレクトします。印刷機能もあり。
DeepL翻訳
無料翻訳ツールの中では翻訳精度が高いことで定評のあるDeepL翻訳。無料翻訳ツールのハードユーザーの中には、「Google翻訳よりも翻訳が自然」と評価する声もあります。精度の高い翻訳を目指すためのAI(人工知能)を搭載。
Google翻訳と他の翻訳サービス
無料翻訳ツールのGoogle翻訳に対し、有料にはなるものの、次のような翻訳サービスがあります。
機械翻訳エンジン
機械翻訳エンジンとは、利用者が翻訳機能をカスタマイズできる翻訳ツールの一種。よく使う用語や過去の翻訳データを蓄積していくことができるため、使えば使うほど翻訳精度が上がることが特長で、利用料は有料になることが一般的です。
AI翻訳
従来の機械翻訳機能の中にAI学習機能を組み入れた翻訳ツール。人間の脳のニューラルネットワークの働きに似たプロセスを通じ、正確かつ柔軟な翻訳を目指します。ディープラーニング機能を搭載し、自己学習によって翻訳精度を上げていくAI翻訳ツールも誕生しています。
クラウドサービスの個人翻訳者
人材のマッチングサイトなどを介し、専門能力のある個人翻訳者に翻訳を依頼する方法もあります。翻訳会社を通す必要がないことから、時間もコストも節約できる点がメリット。納品物のクオリティは翻訳者のレベルや得意分野によってさまざまです。
Google翻訳を利用する際に知っておくべきポイント
Google翻訳を利用する際には、以下の点に注意しましょう。
情報漏洩のリスクがある
セキュリティの高さに定評のあるGoogle翻訳ですが、ネット上で翻訳する以上、常に情報漏洩のリスクが潜んでいることは忘れないようにしたいものです。2015年、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、あるネット上の翻訳ツールで翻訳した文章が他のユーザーにも閲覧できる状態になったことを指摘し、利用者に対して注意喚起を促しています。
細かいニュアンスまで正確に翻訳できない
たとえば多くの人の心に響くキャッチコピーをGoogle翻訳にかけても、単純に単語を翻訳するだけで、そのキャッチコピーの細かいニュアンスや含蓄を伝えることはできません。 同様に文芸書やニュース記事、ビジネス文書においても、細かいニュアンスを伝えるべき部分で相手に伝わらない翻訳になることがあります。
固有名詞や業界用語に対応できない
Google翻訳では、製品名、地名、人名などの固有名詞を正しいスペルで翻訳できないことがあります。また、業界特有の単語や言い回しなどにも対応できないことがあります。 Google翻訳を利用する際には、翻訳された英文を見直すとともに、必要に応じて固有名詞や業界用語を正しい表記に変えなければなりません。
利用規約を読む
ネット上にある無料の翻訳ツールの利用規約によく目を通すと、多くの場合、「アップロードした文章はサイト運営者が自由に使用できる」という趣旨の記載が存在します。もちろん「個人情報を自由に利用する」という意味ではありませんが、有料ツールや有料の翻訳会社に比べ、ややセキュリティ面での不安があることは否めません。
Google翻訳では、ユーザーが利用した翻訳の履歴を集積しています。サービス向上につなげることが主な目的のようですが、ビジネス文書などの大事な翻訳を行う場合は不安を感じる方もいるでしょう。
契約書の英語翻訳はプロに依頼するのが安心!
企業と企業の取引においては、双方における信頼関係が大事な要素となります。信頼関係の構築・維持のためには、情報漏洩は決してあってはなりません。
Google翻訳に代表される無料翻訳ツールは、翻訳の質の問題もさることながら、情報管理における不安も残ります。大切なビジネス契約における翻訳は、情報管理が徹底されたプロの翻訳会社に依頼したほうが不安は少ないでしょう。
当社ケースクエアでは、お客様からの翻訳依頼を承る際、機密保持契約を締結します。個人情報はもとより、ご依頼のあった文書が外部に漏洩することはありません。ビジネス契約書の翻訳をお考えの方は、ぜひ当社ケースクエアまでお気軽にお問い合わせください。