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プライム市場でIR情報の英文開示義務化!義務化の背景と英文にするメリットを解説

IR情報の英文開示義務化に備えるために知っておきたいこと

プライム市場におけるIR情報英文開示義務化の背景とは?

海外投資家を引き寄せる目的

IR情報の英文開示を義務化した背景には、海外投資家との関係を強化し、海外投資家を日本市場に引き寄せる狙いがあります。
多くの海外投資家は日本企業への投資判断をする際に英訳されたIR情報を活用していますが、日本企業のIRは英訳に対応している資料が少ないのが現状です。東京証券取引所のアンケートでは、日本企業のIR情報の英文開示に満足している海外投資家は「やや満足」が15%で、「満足」は0%と厳しい結果となりました。(※)
海外投資家は限られた情報をもとに投資判断を下す必要があるため、情報が不十分だと感じた際には投資対象から外れる可能性も高まるでしょう。海外投資家に日本企業の魅力をアピールして積極的な投資を促すためにも、IR資料の十分な英文開示が必要なのです。

※参照サイト: 株式会社東京証券取引所上場部|英文開示に関する海外投資家アンケート調査結果(2023年8月)

情報の透明性を担保する

情報の透明性を担保するには、日本語IRとの同時開示および英文IRの情報量拡充が必要です。
現在多くの日本企業は日本語版IRを公開した後に英文IRを開示しているためタイムラグが発生しており、海外投資家は適切なタイミングで情報を得られません。また、英文IRは日本語版IRに比べて情報量が少ない傾向にあり、国内投資家に比べて不利な投資環境に置かれている状況です。 情報の透明性を担保するため、日本語IRと英文IRの同時開示および日本語版IR並みの情報提供が求められているのです。

いつから英文開示義務化が始まる?

プライム市場におけるIR情報の英文開示義務化は、2025年4月1日から施行されます。これ以降、主要なIR情報は日本語と英語で同時に開示しなければなりません。

英文開示義務化の対象となる項目

英文開示義務化の対象となる項目は、決算情報と適時開示情報です。
決算情報の対象は、決算短信・四半期決算短信・決算補足説明資料・四半期決算補足説明資料が対象となります。しかし書類を全文英文開示する必要はなく、日本語版による開示の一部または概要でも問題ありません。
適時開示情報の対象は、上場規則で適時開示を求められている上場会社と子会社の情報のほか、任意で適時開示している会社情報になります。各適宜開示は、日本語版による開示の一部または概要の英文開示でも可能です。

英文開示をしなかった場合はどうなる?

英文同時開示を行っていない場合は、その内容や経緯・原因等に応じて公表措置の対象となる場合があります。ただし、発生事実に関する開示といった緊急性の高い情報や、同時開示を行うと日本語による開示に遅延が発生する場合は例外。日本語での開示を先行し、その後に英語開示の対応をするのが認められるケースがあります。
英文同時開示が困難な場合は、具体的な実施予定時期を記載した書面を2025年1月6日~3月14日までに東京証券取引所へ提出すれば、1年間の延長が可能です。

IR情報の英文開示による企業側のメリット

海外投資家層の拡大

国内外問わず投資家はIR情報を重視しているため、英文開示は海外投資家への強いアプローチになります。東京証券取引所によると、「決算短信の英文開示を必須または必要」と回答した海外投資家は89%で、「適宜開示資料の英文開示を必須または必要」と回答した海外投資家は79%でした。(※)
IR情報の英文開示は、投資機会の損失や投資意欲の減退を減らし、海外投資家層の拡大に繋がるでしょう。

※参照サイト: 東京証券取引所上場部|英文開示に関する海外投資家アンケート調査結果(2023年8月)

資本市場における透明性向上

IR情報の英文開示は、自社の実績・経営状況・将来の展望などを海外へ発信する手段です。日本語IRと同じレベルの英文開示を行えれば海外投資家が企業情報を獲得しやすくなり、資本市場における情報の透明性を確保できます。
透明性が向上すれば投資家は企業に対してより高い信頼を寄せるようになるため、企業の評価が向上し、長期的な資本コストの削減や株価の安定に繋がるでしょう。

グローバル競争力の強化

英文でのIR情報開示は、日本企業のグローバル競争力を高める重要な要素です。IR資料の英文開示を行えば海外投資家からのフィードバックを得られるため、経営陣は客観的な視点による改善・投資家に対するアプローチに役立てられます。
また、英語はビジネスの共通言語として国際社会に受け入れられているため、さまざまな国や地域に自社の取り組みをアピールすることが可能となります。グローバル市場での競争力を高めつつ、グローバル市場における新たなビジネスチャンスを獲得するきっかけになるでしょう。

企業ブランドの向上

IR情報の英文開示は、財務状況に関する数字的な情報の発信だけではありません。企業の取り組みを海外投資家にアピールできる機会が増えるため、企業ブランドの向上にも繋がるでしょう。社会や環境に対する投資家の意識の高まりを受け、ESGやサステナビリティへの取り組みを記載した英文IRの開示を評価する意見もあるため、企業ブランドの向上は新たな投資機会をもたらし、企業の中長期的な成長に寄与するでしょう。

プライム市場のIR英文開示で競合に後れを取らないために

IR資料を英文開示する時のポイント

日本語IR資料と同じタイミングで開示する

英文IR資料は、日本語版のIR資料と完全に同時に開示することが理想的です。
日本語資料の開示と英語資料の開示にタイムラグが発生すると海外投資家に不利益を与える可能性があり、結果として企業の透明性が疑われる事態に繋がります。このリスクを回避するためには、日本語版の資料作成と並行して英文版を準備する体制の構築が必要。翻訳担当者や専門の翻訳チームを事前に配置し、スムーズに英訳を進められる仕組みを整えましょう。
急な修正が必要となる場合や情報の確定が直前になるケースでは日本語版を先行して開示する例外も認められていますが、このような場合でもできる限り早期に英文版の開示が求められます。

情報の詳細さを日本語IR資料と同等レベルにする

日本語版と同等レベルの情報量・詳細さを英文IR資料に持たせましょう。要点のみを英訳でも問題ありませんが、情報の非対称性を生むため海外投資家の信頼を損なう原因となります。日本語版の要約に留まらず、重要な情報から細部に至るまでを英文IRに漏れなく反映させましょう。

より多くのIR資料を英文開示する

今回開示が義務化されたのは決算情報と適宜開示資料ですが、日本語版IRで開示されている情報はできる限り英文IRに盛り込みましょう。
東京証券取引所のアンケートでは「コーポレートガバナンスに関する報告書を必須または必要」と回答した海外投資家は80%で、「ESG報告書を必須または必要」と回答した海外投資家は62%でした(※)。これはつまり、海外投資家は財務情報だけではなく非財務情報も含めた英文開示を求めているということです。
IR情報の開示は、投資家に企業の魅力をアピールできる貴重な機会。義務化されていないほかの資料の英文化も検討しましょう。

※参照サイト: 東京証券取引所上場部|英文開示に関する海外投資家アンケート調査結果(2023年8月)

過去の英文開示資料と一貫性を保つ

英文IR資料を作成する際、過去に開示した資料との一貫性を持たせることも大切です。翻訳が都度異なる表現で行われると投資家は混乱し、企業の信頼性を損なう恐れがあります。企業独自の用語や業界特有の表現については翻訳ガイドラインや用語集を作成し、一貫した翻訳を徹底しましょう。
チェックすべき点として、前回までの資料で使用した専門用語や略語を同様に使用しているか・財務数値や業績予想など定量的な情報に整合性があるか・経営戦略や事業方針に矛盾がないかなどが挙げられます。投資家に不信を抱かせたり投資判断へ影響を与えないためにも、過去の翻訳資料との情報や表現の一貫性を維持しましょう。

WEBサイト上のどこに英語資料があるか分かりやすくする

優れた英文IRを作成しても、海外投資家に読まれなければ意味がありません。また、WEBサイトを見てもどこに英文IRが掲載されているのか分からなければ、海外投資家は不満を抱いてしまうものです。
企業のWEBサイトを多言語対応させるとともに、英語資料へのナビゲーションを直感的かつ簡潔に設計しましょう。実践しやすい対策としては、WEBサイトのヘッダーにIRを掲載する・資料をカテゴリーごとに分類する・知りたい情報を検索できるように検索機能を充実させるなどが考えられます。

IR情報の英文開示を進める際の課題

英文開示を進める上での課題はふたつあります。 ひとつ目は翻訳ミスで発生するリスクです。IR情報の翻訳ミスは情報を公開した企業と受け取った投資家の両者に多大な損害を与えるリスクがあるため、充分に気を付けましょう。
誤訳による不正確な情報を提供した企業は法的責任を問われる可能性があります。訴訟問題に発展すれば、企業の財務状況を圧迫する恐れもあるでしょう。また、英文IRは投資家の意思決定に大きな影響を与えます。投資家が誤った情報に基づいて投資判断を下した場合、想定外の損害を負わせるリスクがあることも忘れてはいけません。誤情報が公になれば企業のブランドイメージの低下を招き、長期的な企業価値の棄損に繋がってしまいます。
ふたつ目は、翻訳による業務コストの増加です。IR資料は通常の翻訳とは異なり、財務情報・法的表現など多岐にわたる要素を含むため、翻訳者には深い知識と正確性が求められます。専門用語や誤字脱字のチェックなどIR担当者による確認作業も必要。日本語版・英語版の両方で確認作業を行えば作業量は増大し、多くの人員と時間を要するでしょう。

重要な情報だからこそ翻訳のプロへの依頼がおすすめ

IRは企業から投資家へ向けた重要な情報発信手段です。翻訳ミスがあれば、発信した企業の責任のみならず投資家の資産に重大な影響を与えかねません。ミスを避けるためにも、IR翻訳は実績のあるプロの翻訳会社への依頼がおすすめです。
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