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翻訳会社へのご依頼時に用意するものとその後の流れを解説

翻訳会社への依頼時に用意するもの

翻訳会社へ依頼する際には、「翻訳対象となる原稿データ」と「参考資料」が必要です。

なお、依頼前に秘密保持契約の締結が必要な場合、対応が遅れると翻訳作業が開始できず納期に影響してしまう可能性があるため、事前に締結を完了しておくようにしましょう。

翻訳対象となる原稿データ

翻訳対象となる原稿は、WordファイルやPDFといったデータの形式によって納期や金額が変わる場合があります。
テキストがコピーできないPDF原稿は翻訳作業の前にテキスト化作業が必要となるため、その分の納期と費用が掛かることもあるので注意しましょう。

また、原稿全量ではなく翻訳してほしい範囲が決まっている場合や翻訳不要箇所がある場合は、ボリュームを明確に伝えるようにしましょう。
Wordファイルであれば不要箇所にはグレーハイライトをする、PDFであれば不要箇所は斜線を入れておくなどとすると相手に分かりやすくなります。

翻訳対象箇所の伝達ミスなどによるトラブルは多く発生しており、納期や金額に影響することも。誤解や漏れがないよう明確に伝達しましょう。

参考資料

翻訳時に参考にできるような参照URLや、過去に翻訳した類似案件の対訳データなどがある場合は事前に提供しましょう。
ただ渡すだけでは資料が有効に活用されない可能性があるので、どの程度参考にすべきか、具体的に資料のどの箇所を参照して欲しいのかなどを明確に指示してください。

資料の参照度合いとしては、参考程度・絶対参照・参照する箇所を具体的に指定、という3パターンがあります。

  • 参考程度:あくまで参考程度に参照。資料より適切な用語や表現がある場合はそちらを採用して構わない。
  • 絶対参照:多少不自然であっても極力参考資料にあわせて翻訳する。参考資料が明らかに不適切である場合は、その旨をコメントに残した上で適切な訳語を採用する。
  • 参照する箇所を具体的に指定:「資料3ページ目の『項目◯◯』」など、提供した資料の中でどの部分を参照するかを具体的に指定する。

業界・企業特有の定訳や言い回しがある場合は、「用語集」にまとめて提供することで指定用語を順守した翻訳作業が可能です。
また、表記統一のために文体(ですます調、である調)や略語・単位の表記ルールなどを記した「スタイルガイド(表記統一ガイド)」を提供すれば、翻訳者に仕上がりのイメージを共有できて統一感のある翻訳に仕上がります。

翻訳会社への依頼時に伝えておくべきこと

翻訳の目的

翻訳物が業界人向けの技術文書なのか一般人向けの解説文書なのかなど、使用目的や対象読者によって翻訳会社が選定する作業者や作業工程は変わります。

例えば一般向けでより自然で違和感のない訳文が求められる場合、翻訳後にネイティブが訳文をブラッシュアップする「ネイティブチェック」という工程を追加するのが有効。
翻訳目的や対象読者などの情報があれば翻訳者はリサーチや翻訳作業がやりやすくなり、品質や作業効率が上がる可能性も高まるため、情報は可能な範囲で提供しましょう。

翻訳言語

翻訳言語を伝える際は「仕向地(しむけち)」にも注意しましょう。
仕向地とは、対象とする国や地域のこと。英語であれば仕向地がアメリカかイギリスかによって使用する用語や表記が異なります。

仕向地によって訳語が変わる言語(英語、スペイン語、中国語など)は、依頼時に対象国・地域を忘れず伝えるようにしましょう。
また、希少言語の場合は対応できる作業者が限られており、納期が長くなったり金額が高くなったりする傾向がありますので注意してください。

スケジュール

通常の納期よりも極端に短い納期の場合、翻訳会社によっては「特急料金」として追加費用を請求されることも。
基本的に納期と品質は基本的に反比例するため、可能であれば余裕を持ったスケジュールで依頼しましょう。

どうしても急ぎの場合は、原稿が未完成だったり翻訳予定が未確定だったりしても、翻訳会社にあらかじめ声をかけておくことで翻訳者のスケジュールを確保できます。
場合によっては複数名で翻訳するなどの納期にあわせた提案をしてもらえるでしょう。

予算

予算が限られている場合は事前に伝えておきましょう。
見積もり段階で予算オーバーしている場合、翻訳対象箇所を絞る、工程を簡略化するなどの予算にあわせた翻訳手段を提案してもらえます。

スタイル(文体)

希望する文体や略語や単位の表記方法など、スタイルの指定がある場合は事前に伝えましょう。
スタイルガイド(表現や表記に関するルールブック)にまとめて提供するとスムーズです。

希望の納品形態

翻訳後のレイアウト調整は必要か、Wordにベタ打ちか、指定フォームへ訳文入力か…など、納品形態は作業工程や納期や料金にも影響します。
希望の納品形態は必ず見積もり段階で伝えておきましょう。

納品方法

納品はどのような形式で欲しいのか(メールでの納品・指定のサーバーへアップロード・ファイルに指定のパスワードをかけて納品など)、納品宛先に含めてほしいアドレスなどは、忘れず伝えておきましょう。

翻訳料金や納期の決まり方

翻訳料金や納期に影響する要素は下記の通りです。

  • 翻訳のボリューム(原文の文字数やWord数)
  • 原稿や分野の難易度
  • 原稿の形態
  • 翻訳言語
  • スケジュール
  • 翻訳工程
  • 原稿データの形式

これらの要素をもとにして翻訳料金や納期がどのように決まるのかを解説していきます。

翻訳料金の決まり方

翻訳料金は基本的に「分量(原稿の文字数、Word数)×翻訳単価 + オプション工程の料金(ネイティブチェックやPDF原稿のテキスト化費用など)」で算出されます。

一般的な翻訳工程は「翻訳→校正→レイアウト調整→最終チェック→納品」となっています。校正(翻訳後の第三者チェック)費用やレイアウト調整費用は翻訳会社によってオプション扱いで別料金の場合も。
更に、難易度の高い分野だと作業者が限られるため、納期や料金は高くなる可能性があります。

翻訳納期の決まり方

翻訳納期は基本的に、翻訳者の翻訳作業に要する日数やその後の工程(校正やレイアウト調整)などの必要日数を足して算出されます。
翻訳の目的などによってネイティブチェックなどのオプション工程が加わり、その分の納期や料金が追加されることになります。

翻訳者が1日で処理できる分量の目安は下記の通り。

  • 英語→日本語:原文英語が約1,500〜2,000ワード程度/日
  • 日本語→英語:原文日本語が約3,000〜4,000文字程度/日

テキストデータが抽出できないスキャン原稿のPDFなど、原稿の形態によっては翻訳前にテキスト化処理など作業が必要なため、追加で納期が必要になります。

翻訳依頼の流れ

翻訳依頼の問い合わせから翻訳依頼までの流れは下記の通り。

  • 原稿を送付
  • 見積もり依頼
  • 希望の翻訳仕様について詳細を確認
  • 見積書確認
  • 翻訳発注

翻訳会社によって得意分野や費用の設定、基本工程が異なるため、不明な点は見積もり依頼の段階で明確にしておきましょう。

翻訳依頼後の流れは以下の通り。

  • 翻訳作業
  • 納品
  • 検収(納品物の確認)
  • 修正依頼
  • 完了

翻訳後の修正対応については、翻訳会社によって「◯回まで無料対応」など回数が限られていたり、有料での対応になったりする場合もあります。

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