AIでマンガを翻訳できる?仕組みやメリット・デメリットを紹介

AIによるマンガ翻訳について知っておきたいこと
AIでマンガ翻訳は可能?その仕組みとは?
マンガの翻訳と聞くと、従来は「専門の翻訳者が一つひとつセリフを読み取り、意味や文化的背景を考慮しながら訳す」というイメージが強かったかもしれません。近年はAI技術が急速に進化し、AIを使ったマンガ翻訳が可能になっています。
マンガ翻訳におけるAIの主な手順は、大きく2つに分けられます。
1つ目は文字認識(OCR:光学文字認識)。マンガには吹き出しや手描き文字などが使われており、これらの文字をコンピュータで扱えるテキストデータへ変換する必要があります。近年ではOCR技術によって画像化されている日本語(縦書き・手書き風フォントなど)を自動で解析し、翻訳可能なテキストに変換することができるようになりました。
2つ目は、OCRによって取り出したテキストをAI翻訳ツールで別の言語へ変換する作業。ChatGPTやDeepLといった大規模言語モデルを活用すれば、一瞬で翻訳結果を得られます。
このように、マンガのAI翻訳は画像の文字を読み取ってデータ化し(OCR)、続いてAIツールで自動翻訳を行うという流れが基本です。文字が崩れている場合など、OCRが苦手とするケースもありますが、技術は日進月歩で進化しています。今後はさらに精度が高まり、気軽に活用できる可能性があるといえるでしょう。
AIを使った自動翻訳サービスを提供する会社もある
AIによるマンガ翻訳の手段として、自分でツールを使って取り組むだけでなく、自動翻訳サービスを提供する企業に依頼するケースも出てきています。例えば、アップロードするだけでAIがテキストを自動で認識して翻訳。加えて、写植の位置調整までサポートしてくれる企業もあります。
自動翻訳サービスはまだ発展途上ながらも徐々に浸透してきており、企業や個人クリエイターが「マンガを海外展開する」「海外の作品を試しに読んでみる」際に利用されるケースが増えてきているようです。
マンガの翻訳をAIでするメリット
手軽に翻訳できる
AIを活用した翻訳ツールの大きなメリットは、場所や時間を問わずに翻訳作業を行える点です。
ネットに接続できるパソコンやスマートフォンがあればブラウザ上で利用できるツールも多く、OCRで文字を抽出して翻訳ツールにコピペするだけで翻訳結果を得られます。
外出先や夜中でも気軽に翻訳を試せるため、サンプル訳をすぐに確認できるのは大きなメリットだといえるでしょう。
コストが安い
AI翻訳ツールには無料のものも多く、商用利用の際も一定の使用料だけで済みます。
OCR機能が付いた無料ツールや翻訳自体は無料で使用できるツールなども存在するため、小規模の翻訳や個人利用の場合にはほとんどコストがかからないケースも。有料プランを利用したとしても、人間の翻訳者へ依頼するよりコストを抑えて翻訳することができます。
スピードが早い
AI翻訳はOCRから翻訳まで一気通貫で行えるため、人間が一枚一枚読み込んで訳していく方法と比べると圧倒的に短時間で翻訳が完了します。例えば数十ページのマンガをまるごと翻訳する場合、テキストさえAIに認識させることができれば数分~数十分程度で翻訳が完了するのです。
「すぐに外国語版のマンガを読んでみたい」「急ぎで海外のマンガ展に出稿する必要がある」といった際も即対応できるのは、大きな利点といえるでしょう。
マンガの翻訳をAIでするデメリット
文字認識に失敗するケースもある
AI翻訳にはメリットがある反面、文字認識(OCR)精度に左右されるデメリットがあります。
マンガのセリフ・擬音・背景の描き文字はフォントが特殊だったり、斜めに配置されていたり潰れたような手書き風であったりと不規則。そのため、OCRで正確に抽出できず、誤変換を起こすケースがあります。
文字認識に失敗すると、AIが正しい日本語テキストを取得できずに翻訳処理そのものがうまく行きませ全文がめちゃくちゃになったり一部のセリフが抜け落ちてしまったりするなど、読者に支障を及ぼす翻訳になるリスクを孕んでいるのです。
AIツールやパソコンの知識が必要
AI翻訳をする際、OCR機能や翻訳エンジンを上手に使いこなすにはある程度のパソコン操作やツールに関する知識が必須。ファイル管理やセキュリティ面などにも配慮する必要があります。
企業が自社内でマンガ翻訳を行う際は導入時にAIやPC操作に詳しいスタッフが在籍している必要があるため、単にAIツールを導入すればよいというわけではないのです。
翻訳の精度は人間に及ばない
AI翻訳の最大の弱点は、現時点では翻訳の精度が人間に及ばない点です。
マンガにはキャラクターのセリフや擬音、独特の言い回しが多く、文化的背景や作者の意図を汲み取ったうえで翻訳する必要があります。AIは膨大な学習データを基に翻訳を行いますが、その結果はあくまで「確率的に最もありそうな翻訳」を返しているに過ぎません。正しく翻訳するためには、単語や文法だけでなく一歩踏み込んだ深い理解が必要なため、完全にAIだけで翻訳することは困難なのです。
マンガの魅力はキャラクターの個性や台詞回しに大きく左右されるため、翻訳時にニュアンスが崩れると作品の雰囲気や面白さが失われる可能性があります。その点、プロの翻訳者は経験を活かして文脈やキャラクター性を深く理解し、自然な言い回しでの表現が可能。読者にとって読みやすく、かつ作者の意図を汲み取った翻訳ができます。AIツールのみでは、この高いレベルの翻訳を再現するのはまだ難しいのが現状なのです。
マンガ翻訳で失敗しないために
マンガ翻訳で意識したいこと
ストーリーとともに、キャラクターの心情や独特の言い回しも読者を引き込むマンガの大きな魅力のひとつ。吹き出しに刻まれた台詞やナレーションがうまく伝わらなければ、作品全体の印象や楽しさが損なわれてしまうでしょう。マンガの翻訳では、「正確に意味を伝える」だけでなく「キャラクターの個性や感情を表現する」ことも大切なのです。
単語レベルの訳に止まらず、ストーリーの流れやキャラクター同士の関係性などを総合的に判断したうえで翻訳を意識する必要があります。
翻訳業者選びの3つのポイント
ネイティブチェックがあるか
マンガの自然な訳文を仕上げるには、最終的にネイティブスピーカーによるチェックが欠かせません。細かい表現や微妙なニュアンスの調整は、現地の言語を母国語とする人にしかわからない部分が多いためです。
翻訳業者を選ぶ際は、ネイティブスタッフが校正を行う体制が整っているかを確認しておきましょう。
現地の文化的背景を翻訳できるか
マンガには、日本文化をモチーフにした描写や独特のジョークが含まれています。例えばお正月の風習や祭り、学校生活の細かなルールなど、日本特有の文化的要素を直訳しても海外読者には理解できないケースが多いでしょう。海外の読者が混乱しないように註釈を挿入したり、類似する現地の文化に置き換えたりといった翻訳テクニックが必要です。
必要に応じてうまく補足説明できるスキルを持った翻訳会社なら、作品の魅力を損なわずに広く世界に届けられます。
マンガ・エンタメ翻訳の実績があるか
ひと口に翻訳会社といっても、扱う分野は多岐にわたります。ビジネス文書や契約書の翻訳が得意な会社とマンガ・ライトノベル・ゲームなどのエンタメ分野を得意とする会社では、求められるスキル・ノウハウが異なるもの。マンガ翻訳の実績が豊富な業者であれば、擬音の訳し方やコマ割り内の文字配置など、エンタメ特有の細かいポイントも踏まえた仕上がりを期待できるでしょう。
依頼する際には、公式サイトやSNSなどから過去の実績を確認すると安心です。
AIでは難しい質の高いマンガ翻訳を依頼するなら
AI翻訳はスピードやコスト面において大きな魅力を持ちますが、マンガの細かな表現や文化的背景を汲み取るのはまだまだ得意ではありません。キャラクターの個性が重要な作品ほど、AIの訳文だけでは物足りない部分が出てくるはず。現時点では、質の高いマンガ翻訳を行える翻訳会社に依頼するのが賢明といえるでしょう。
弊社ケースクエアでは、AIではなく人間による翻訳によって自然な表現や臨場感を重視したマンガ翻訳サービスを提供しています。マンガ翻訳だけでなく、映像翻訳やアニメ・ゲームなどエンタメ分野の翻訳の実績も豊富。日本語1文字・英単語1ワードあたり8円からと、業界相場と比べても価格を抑えた料金設定も多くのお客様にご指示いただいている理由の一つです。
無料トライアルもご用意しておりますので、マンガ翻訳を検討中の方はお気軽にご相談ください。
まとめ
AIによるマンガ翻訳は、OCRと翻訳エンジンの連携によって手軽かつ高速に行えるため、大まかな内容把握やコスト削減に大いに役立ちます。
しかし、特殊なフォントや擬音を多用するマンガは文字認識の失敗が起こりやすく、キャラクターの口調や文化的背景を考慮した自然な翻訳はAIだけでは難しい面もあります。高品質なマンガ翻訳を求めるのであれば、ネイティブチェックや文化ローカライズに対応してくれる翻訳会社に依頼するのが安心です。
弊社ケースクエアは、マンガやエンターテインメントの翻訳にも対応している翻訳会社。表現力を重視した翻訳サービスを、良心的な価格でご提供しています。
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