英語の契約書で使われる言い回し、専門用語とは?
英語の契約書でよくある言い回し
英語の契約書でよく使われる言い回しの例を一覧にまとめました。
- as provided for in the preceding paragraph
前項の - At one's discretion
~の裁量で、任意に - based on / pursuant to / in accordance with
に基づく - be under the jurisdiction of ~
~の裁判管轄権に服する - beyond reasonable control
合理的な支配を超えて - commit a breach of the agreement
契約違反をする - due and payable
~を含み、これらに限定されない - duly authorized representative
正当に権限が与えられた代表者 - express or implied
明示的または黙示的 - fail to do
〜しない、〜することを怠る - failure or delay
不履行または遅滞 - if and to the extent〜
もし、〜の範囲内において - in consideration of〜
〜を約因として - in good faith
誠意を持って - indemnity hold harmless
~を含み、これらに限定されない - immediately due and payable
直ちに支払いの義務が生じる - laws and regulations
法令 - liability is several only
責任は個別責任(分割債務)である - must endeavor to
するよう努めなければならない - notwithstanding the provision of
の規定にかかわらず - on and after
〜(の日を含みその日)から - pertaining to
にかかるに係る - prescribed in the preceding paragraph
前項に規定 - To the extent that
~の範囲において、~の限りにおいて - unless otherwise agreed in writing
別に書面での合意がない限りは - Without prejudice to
~の権利を放棄することなく、~の権利を損なうことなく - without regard to the principles of conflict of laws
抵触法の原理に関わらず
反復表現について
英文契約書特有の表現の1つに、同じような意味の単語を重ねて用いられる「反復表現」があります。
こうした表現をする理由は2つあります。
- その条項がカバーする範囲を広げることができるため
- 歴史的な背景(その昔イングランドを征服したフランス・ノルマン人が、公用語をフランス語としていた名残り)
<反復表現>
- act and deed
行為 - any and all
ありとあらゆる - assign and transfer
譲渡する - assume and agree
同意する、合意する - authorize and empower
授権する - bind and obligate
拘束する - by and between〜
〜の間で - by and under
~に従い、~により - by and with
~により - cease and come to an end
終了する - costs and expenses
費用 - covenant and agree
同意する、合意する - cover, embrace, and include
包含する - deemed and considered
みなす、推定する - due and payable
支払い期限の到達した - each and all
いっさいの、すべての - each and every
各 - effective and valid
有効な - entirely and completely
完全に - final and conclusive
終局の - finish and complete
完了する - fit and suitable
適当な - for and during the period of~
~の期間 - for and during the term of
~の期間中 - for and in consideration of
~を約因として - for and in/on behalf of
~のために - for and on behalf of 〜
〜を代表して - force and effect
効力 - from and after
~後 - full and complete
完全な - full force and effect
有効な - furnish and supply
供給する - give and grant
付与する - give, devise, and bequeath
遺贈する - have and obtain
所有する、保有する - hold and keep
保持する - keep and maintain
維持する - kind and character
性質の - kind and nature
性質の - known and described
~と呼ばれる - laws and acts
法律 - made and entered into〜
締結された - make and conclude
締結する - make and enter into
締結する - mean and include
~を意味する - mentioned or referred to
記載される - modify and change
変更する - modify or change
変更する - null and void
無効な - nulland no effect
無効な、 - of and concerning
~について、~の - over and above
~を超える - power and authority
権限 - request and demand
求める、請求する - request and require
求める、請求する - save and except
~を除いて - sole and exclusive
唯一の、排他的な - supersede and displace
~に代わる、~を無効にする - terms and conditions
条件 - true and correct
正しい - type and kind
~の種類の - under and subject to
~に従い - understood and agreed
合意された、同意された - when and as
~のとき、~の場合 - when and if
~のとき、~の場合 - willfully and knowingly
故意に、知りながら - with regard to and in connection with
~に関し(て)
英語の契約書で用いられる専門用語
英文契約書には多くの法律関係用語が登場します。中には、日常英語で使用される場合と法律用語として使われる場合で意味が違う場合があるので注意が必要です。
英文契約書の「書式」で用いる専門用語
英文契約書の書式は大きく分けて2種類あります。
- フォーマルな英文契約書の書式
- 平易な書式
フォーマルな書式は古風な英語を使用していますが、現代でもフォーマルな書式として使用されています。
最近は平易な英文(Plain English)で英文契約書が書かれる傾向があります。ただし、一部の古風な表現が使われなくなったくらいで、本文そのものの書き方にはほとんど変化はありません。
<書式で用いる専門用語>
- title
タイトル - Introductory Clause
頭書 - Execution Date
締結日 - Parties
当事者 - Recitals
前文 - Whereas Clause
前文 - Consideration
約因 - Operative Provisions
本文 - Principal Terms
主要条件 - General Provisions
一般条項 - Closing
結語 - Signatures
署名 - Attachment(s)
添付書類
英文契約書の「条項」で用いる専門用語
英文契約書の本文(Operaive Provision)には、主に下記の2点が盛り込まれます。
- 主要条件(Principal Terms):その契約独自の特別合意事項
- 一般条項(General Provision):他の英文契約書にも共通してよく記載される条項
この部分は契約書の中でも最も重要な部分です。
「主要条件」条項、「一般条項」には大体似たような表現が用いられます。
<「条項」で用いる専門用語>
- Definitions
定義 - Price
価格 - Payment
支払い - Delivery
引渡し - Marine Insurance
保険 - Title and Risk
所有権と危険負担 - Warranty
保証 - Limitation of Liability
責任制限 - Force Majeure
不可抗力 - Acceleration Clause
弁済期日繰上条項 - Confidentiality
守秘義務 - Termination
解除 - Assignment
譲渡 - Entire Agreement
完全合意 - Amendments
変更 - Waiver
権利放棄 - Severability
分離 - Survival
存続 - Notices
通知 - Governing Law
準拠法 - Arbitration
仲裁 - Jurisdiction
裁判管轄 - Term
期間 - Exchange Rate Adjustments
為替レートの調整
英文契約書の「本文内」に用いる専門用語
英文契約書の本文内に用いるその他の専門用語をまとめました。
- Ambiguities
疑義 - Article/Section/Clause
条項 - Breach of confidentiality
秘密保持の違反 - Breach, violate
違反 - Conflict of interest
利益相反 - Confidential Disclosure Agreement [Contract]
秘密保持契約/秘密開示契約/開示禁止契約 - Disclose
開示 - Disputes
紛争 - District Court
地方裁判所 - Effective date
施行期日 - Effective term
有効期限 - Exhibit
別紙 - Expiration
満了 - Expiration of term
期間の満了 - Immediately
直ちに - Indemnification/compensation
補償 - Infringe
侵害 - Interpretation
解釈 - Interpretations
解釈 - Non-performance
不履行 - Obligation
義務 ※Dutyとも言う - Other party
相手方 - Party
当事者、関係者 ※「両者」は”both parties”になる - party concerned
当事者 - Performance
履行 - right to damages
損害賠償請求権 - Survival clause
存続条項 - Without delay
遅滞なく
英文契約書「独自」に用いられる専門用語
英文契約書で独自に用いられる用語・ラテン語の用語・大文字で書かれる用語をそれぞれまとめました。
<英文契約書独自の用語>
- And/or: A and/or B
「AおよびB」あるいは「AまたはB」のいずれの場合をも表す - hereof
= ”of the Agreement” 本契約の - hereto
= ”to the Agreement” 本契約に対する - herein
= ”in the Agreement” 本契約に - hereinafter referred to as “…”
以下「…」という - may
することができる(許可や権利を表す) - may not
することができない(不許可を表す)
※明確に禁止の意味を表す場合には、Shall notを使う - Shall
~しなければならない(義務を表す) - shall be deemed
みなす - Shall not
~してはならない(不許可、禁止の意味を表す) - shall not preclude
することを妨げない - Subject to
~に従って、~を条件として
(契約の効力発生や効力消滅にかかる前提条件として使用される) - risk / threat
おそれがある - set forth / specified in each of the following items
各号に定める - provided / however / that this shall not apply
ただし、…は、この限りでない - witnesseth
証言する、誓う、証する - whereas
=”as” ~である一方、他方は~ - without incurring
を負うことなく
<ラテン語の用語>
英単語の半数以上はフランス語及びその元であるラテン語に由来しています。
そのため、英文契約書では英語以外のラテン語やフランス語がたびたび登場します。
- in lieu of
~の代わりに - mutatis mutandis
準用して - bona fide
善意の、誠実な - pari passu
同じ順位で - per diem
日当、一日あたり - per annum
一年あたり - pro rata
その割合に応じて - inter alia
その他のものと一緒に、とりわけ - ex parte
一方的な - vice versa
逆もまた同様、逆もまた真なり - ab initio
さかのぼって - ad hoc
臨時の - ipso facto
事実それ自体によって、何らの手続きもなしに直ちに - ipso jure
法律上当然に - et al. et seq.
及びその他の者 - in re
相手方のいない事件 - prima facie
一応の - de facto
事実上の - in camera
裁判官室で - lex fori
法廷地の法 - lex loci contractus
契約締結地の法 - proviso
担書 - de jure
法律上の - pro forma
形式上の - status quo
現状
<大文字で書かれる用語>
以下の用語は英文契約書の中ではすべて大文字表現(キャピタライズ)とされる場合があります。
- WITNESSETH
以下を証する - WHEREAS,
〜なので、asと同じ意味の古風な表現 - NOW, THEREFORE
したがって - IN WITNESS WHEREOF
これを証するため