株式会社ケースクエア公式サイト 翻訳サービス
株式会社ケースクエアGROUP

株式会社ケースクエアが運営する翻訳専門サイト

トランスクリエーションとは?翻訳との違いを解説

トランスクリエーションとは? 

トランスクリエーションとは、原文の意味を正確に伝えつつ読み手の文化や感情に合わせて意訳や言葉を置き換える翻訳方法で、翻訳(translation)と創造(creation)を組み合わせた造語です。
「超訳」や「マーケティング翻訳」とも呼ばれており、文化的な違いで直訳だけでは伝わらないニュアンスを読み手に伝えるために用いられます。
トランスクリエーションは、特にコピーライティング・マーケティングなど、ビジネスの分野で活躍する方法です。
単に語学力だけでなく、現地のニーズ・文化的背景・マーケティング知識を組み合わせて伝わりやすくかつ感情に訴えかけるための翻訳スタイルといえます。

トランスクリエーションのメリット

違和感なく現地の言葉で表現・訴求できる

日本語に翻訳する場合、言葉を発した人物が住む地方では使わない言語・方言で翻訳されると違和感・不自然に感じるように、直訳だけの文章は読み手に違和感を与えるケースがあります。
日本の風土と同じように、世界各地にはさまざまな文化や習慣があります。トランスクリエーションはネイティブに馴染みのある言葉や表現を使ってターゲット層に響くメッセージを作成するため、ユーザーの共感を引き出し、違和感なく訴求できるのです。

現地ユーザーからの信頼性を高める

グローバル市場で活動する企業にとって、現地でのブランドや製品・サービスの信頼性は非常に重要です。
例えば、海外企業が日本市場に進出してきた際、ウェブサイトや説明書に不自然な日本語表現が使われていると、消費者はその商品やサービスの購入・利用を躊躇するもの。

一方で、自然な翻訳がされていれば不信感を抱く可能性は低くなるでしょう。
このようにトランスクリエーションを用いて自然で文化にマッチした翻訳がされていると、現地ユーザーからの信頼を高めやすくなるのです。

時間とリソースの節約に繋がる

翻訳対象がホームページ・ポスター・企画書などで目を引くキャッチコピーの場合、通常の翻訳を終えた後にコピーライティングに優れた専門家への依頼が必要ですが、トランスクリエーションを用いた翻訳なら別途依頼する必要がなくなり、コストや時間の節約に繋がります。

トランスクリエーションと翻訳(直訳)の違い

翻訳(直訳)は文字通り単語を正しい意味に置き換え、情報の正確な伝達を目指して文章を訳します。
対して、トランスクリエーションはターゲット国の文化・商習慣を考慮し、言葉のインパクトや響きを最大化するための創造的な翻訳方法です。
直訳だけでは伝わらないニュアンスや感情を補い、メッセージの魅力を高めるために言葉や表現を選んで翻訳します。
そのため、事実やデータの正確な伝達が必要な場面では直訳、マーケティングのように受け手の感情や関心を引きつけることが求められる場面ではトランスクリエーションが適しています。
どちらの翻訳方法が優れているといった優位性はなく、翻訳した文章をどのように利用するかによって使いどころを見極めましょう。

トランスクリエーションとローカリゼーションの違い

ローカリゼーションは、製品やサービスを特定地域の文化に合わせて自然に伝わるよう適応させる翻訳です。
対してトランスクリエーションは、ローカリゼーションの概念を含みつつターゲット層の感情を動かす訴求力やマーケティング効果を持たせることを目的としています。
ローカリゼーションが「違和感なく伝わること」を重視するのに対し、トランスクリエーションは「感情を動かすメッセージを作ること」にフォーカスを当てているのが相違点です。

トランスクリエーションの費用相場

言語・ボリューム・内容の専門性・納期などの要素によって変わりますが、一般的な翻訳費用の1.2~1.5倍がトランスクリエーションの相場です。
これは、単に言葉を変換するだけでなく、ターゲット国の文化や習慣に合わせた訴求力あるメッセージを生み出す高いスキルが求められるため。
サービス利用時には、これらの要因を考慮して見積もりを取りましょう。

トランスクリエーションを依頼する際のポイント

トランスクリエーションを成功させるには、明確な目標設定、ターゲット層の特定、メッセージの優先順位付けが欠かせません。
目的とメッセージの方向性を決定した後、専門的な翻訳会社を選び作業を依頼します。
専門知識を持った翻訳家が伝える言葉が、必ずしも自社の伝えたいメッセージと一致するとは限りません。
任せっきりにするのではなく、コミュニケーションを密にとりながら共に作り上げる姿勢が大切です。
現地の文化や風習を理解したうえで、ターゲット・市場に効果的なアプローチを考えましょう。

トランスクリエーションの実例

映画「アナと雪の女王」のタイトル

全世界で話題となったディズニー映画「アナと雪の女王」は、日本語に訳される前の題名は「Frozen」です。
直訳すると「凍らされる」となり怖い印象を与えるため、映画のターゲットとなる子どもたちには魅力的に感じられない可能性がありました。
そこで、映画の内容をイメージしやすく、親しみやすさ・ディズニーらしさのあるタイトルに訳され、大人気の映画となったのです。

P&Gの「Thank You Mom」キャンペーン

2012年のロンドンオリンピックをきっかけに始まった、世界中の母親たちへ感謝を伝えるというメッセージが核となったプロジェクトです。
異なる国や地域における文化や感性に合わせてトランスクリエーションが行われ、日本でも「ママの公式スポンサー」として、日本の市場に合わせたビジュアルや音楽で展開。さまざまな国の人々に深く共感され、広く成功を収めたキャンペーンとなりました。

参天製薬の企業スローガン

「あなたのあしたを想う」をスローガンとして掲げている参天製薬は、トランスクリエーションを通じて「Imagine Your Happiness」という形に訳されています。「幅広い国の人たちに理解して欲しい」と分かりやすく馴染みやすいキャッチーな言葉に訳された事例です。

トランスクリエーションをするなら実績のある翻訳会社に!

対象としている地域・言語圏に特化した知識とマーケティング的な考え方が必要なトランスクリエーションを依頼する場合、単に対応が可能かどうかというだけでなく、実績や経験も会社選びの重要なポイントです。
トランスクリエーションを実践した経験がある翻訳会社なら、機械翻訳では捉えきれない細かなニュアンスや地域固有の表現、ブランドイメージを正確に伝えるノウハウの蓄積が期待できます。
翻訳会社のホームページから実績や翻訳事例を確認し、期待する訳し方ができそうなのかをチェックしてください。実績を公開していない場合にも直接問い合わせて確認するなど、ビジネスをグローバル市場で成功するためにも調査を行ったうえでトランスクリエーションを依頼しましょう。