映像翻訳とはどんな仕事?文章翻訳と異なる点や必要なスキルを解説
映像翻訳とは
映像翻訳とは、映像作品の音声を翻訳して多言語化する翻訳のこと。
映像といっても範囲は広く、メディアに合わせて様々な制約があります。
映像翻訳には通常の翻訳とは異なる特有のスキルや、専門ソフトの操作スキルなどが必要。
ストリーミングサイトのような動画配信サービスの成長により、映像翻訳の需要は高まっています。
映像翻訳の対象となるもの
- テレビ(ニュース、情報番組、ドキュメンタリー、スポーツ、料理番組など)
- 映画
- Web(Youtube、Tiktok、ニュース、企業・商品・観光などのPR映像)
- ビジネス(企業のIR情報、展示会)
- 芸術(美術館で流す映像)
英語だけでなく中国語や韓国語、ヨーロッパ言語などの多言語化の需要も増加しています。
映像翻訳と文書翻訳の違い
文書翻訳では、オリジナル言語の要素をターゲット言語に抜け漏れなく忠実に表現します。
一方、映像翻訳では「伝える」ことが最優先とされるため、様々な制約に合わせて内容を意訳したり省略したりします。
また、差別語を含む放送禁止用語が字幕に入っていないかなど、放送ルールについても順守が必要。
そのため、誤訳やケアレスミスがないかという一般的な翻訳校正に加えて、事実関係に間違いがないかの「裏取り」や放送ルールに準じているかの「校閲」も行います。
機械翻訳は映像翻訳に対応できるか
技術翻訳の分野では機械翻訳である程度の精度が出せる文書もあります。
しかし、映像翻訳に求められる表現力や要約力を現在の機械翻訳で再現するのは難しいと言えます。
映像翻訳の種類
映像翻訳には大きく下記の3種類があります。
字幕翻訳
オリジナル言語の音声を翻訳し、オリジナル言語の音声は残したままターゲット言語の字幕を画面に表示する手法です。
字幕翻訳では、パッと見て内容が理解できる「可読性」が重視されます。
文字数制限
映像は場面が次々に切り替わっていくので、瞬時に内容が把握できるように文字量を調整します。
具体的には、人がストレスなく読み取れる情報量とするため「1秒間に4文字まで」「1画面につき2行まで」「1行につき最大13文字まで」などの制限があります。
会話のテンポや全体のバランスを鑑みて、適切な文字数内で要約します。
句読点は使わない
読みやすさを重視するため、文字数は必要最低限に省きます。
そのため映画翻訳では句読点を用いず、代わりに半角スペースや全角スペースを用います。
吹き替え翻訳
オリジナル言語の音声を翻訳し、ターゲット言語の音声に差し替える手法。
オリジナル言語の音声は残りません。
話者の口の動きに合わせる
視聴者は映像を見ながら話し言葉を耳で聞いて理解するため、話者の口の動きを意識して翻訳し、映像と音声を自然に合わせるテクニックが求められます。
聞き取りやすい言葉を選ぶ
同音異義語(例えば「構成」「校正」「公正」など)は間違えた意味で捉えられる可能性があるため避け、聞いた瞬間に正しい意味で理解できる言葉を選択します。
ボイスオーバー
オリジナル言語の音声に、翻訳したターゲット言語の音声をかぶせる手法。オリジナル言語の音声は小音量で残します。
ニュースやドキュメンタリーなどのインタビューやナレーション部分で多く用いられます。
吹き替えほど登場人物の口の動きを意識する必要はなく、また、字幕のように限られた文字数で表現する必要はありません。
映像翻訳に必要なスキル
映像翻訳者には以下のようなスキルが求められます。
- 語学力
- リサーチ力
- 分野の専門知識
- 優れた読解力
- 高い日本語の表現力
- 要約力
語学力
映像翻訳では外国語の台本などを正しく理解する語学力はもちろん、音声をもとに翻訳するための高いリスニング力も必要とされます。
リサーチ力
専門性の高いドキュメンタリー番組や医療をテーマにした動画コンテンツなど、映像翻訳の対象ジャンルは幅が広く、情報の裏取りや調べ物のための高いリサーチ力が欠かせません。
分野の専門知識
法律や医学などの専門性の高い分野では、専門用語や背景情報などを知った上で翻訳をする必要があります。
優れた読解力
国や地域の文化背景を理解した上で、文脈から発言の意図を読み解くスキルが求められます。
高い日本語の表現力
直訳するだけでは分かりにくかったり、話者の雰囲気や場面に合わなかったりしてしまいます。
原文のニュアンスを正確に伝える高い表現力が必要です。
要約力
原文のニュアンスを残しながら、文字数制限や時間の制約に合わせて訳文を短く要約するスキルが求められます。
高品質な映像翻訳を安く依頼したいなら
映像翻訳には専門的な知識やスキルが必要です。
読みやすく、正確に伝わるように翻訳するためには、プロへの依頼をおすすめします。
翻訳会社ケースクエアは、「迅速」「高品質」「低価格」な翻訳サービスを提供しています。
「1文字8円~」の低価格ながら、各分野で学士・修士・博士号の取得者、研究員、実務経験者などの専門性の高い翻訳リソースを持ち、幅広い分野に対応が可能。
メール・電話・ファックスは原則365日24時間対応しているので、お急ぎの翻訳依頼にも迅速に対応可能です。
無料トライアルもありますので、お気軽にお問い合わせください。