翻訳会社の安い・高いはサービス内容に違いが出るの?
一般的な翻訳費用の内訳
翻訳料金
翻訳料金とはその名の通り、翻訳作業そのものにかかる費用。金額の算出方法には「原文換算方式」と「仕上がり換算方式」の2種類があります。
・原文カウント方式
原文の数量に翻訳単価をかけて算出する方法。
例)
日本語1200文字を英語に翻訳する場合:1200文字×翻訳単価
英語800ワードを日本語に翻訳する場合:800ワード×翻訳単価
・仕上がり換算方式
翻訳後の訳文の数量(枚数)に翻訳単価(枚数単価)をかけて算出する方法。
ここでいう枚数とは原稿のページ数ではなく、例えば「訳文の英語200ワード=1枚」「訳文の日本語400文字=1枚」というように、一定の訳文量を1枚と定めています。
例)日本語から英語に翻訳し、訳文が3,000ワードだった場合
3,000ワード÷200=15枚
翻訳料金=15枚×枚数単価
翻訳会社では伝統的に仕上がり換算を採用していましたが、翻訳をしてみないと正確な金額がわからないというデメリットがあり、現在は原文カウント方式が主流になっています。
校正料金(クロスチェック)
翻訳後に第三者が翻訳内容をチェックする工程。
原文と訳文を照らし合わせ、訳抜けや誤訳、ケアレスミスなどを修正することでより高品質な訳文に仕上げます。
翻訳会社によっては校正の料金が翻訳料金に含まれていたり、別途オプション料金だったりという違いがあります。
レイアウト調整(DTP)料金
レイアウト調整(DTP)は、翻訳後に崩れてしまった訳文のレイアウトを調整する作業。
翻訳をすると文字の長さが変わるため原稿のレイアウトが崩れることがありますが、レイアウト調整が不要の場合はあらかじめ伝えておけば工程を省くことが可能です。
ネイティブチェック料金
ネイティブチェックは、翻訳後にその訳文の言語を母国語とするネイティブが訳文をチェックし、より自然な表現や言い回しにブラッシュアップする工程。
より自然で高品質な翻訳に仕上げたい場合に行い、一般的に通常の校正とは別料金のオプション扱いとなりますが、翻訳会社によっては通常の翻訳料金に組み込まれている場合もあります。
その他作業費用
希望する翻訳物の仕様によっては、追加の工程や作業費用が発生します。
例えば原稿がPDF形式の場合、原稿のテキストをWordファイルなどに変換するテキスト化処理が発生する可能性があります。また、用語集の作成や指定フォーマットへの訳文挿入など、翻訳以外の追加作業に対しては別途料金が加算されます。
翻訳価格が上下する要素
原稿の分野や難易度
専門性の高い分野や難易度の高い原稿の場合、対応する翻訳者もその分能力の高い人を割り当てる必要があり、翻訳料金が高くなる傾向があります。
特に産業翻訳のメイン分野である医薬・工業・IT・法律・金融・特許分野はそれぞれ高い専門性を要求されることが多く、分野ごとに料金も異なります。
言語ペア
英語や中国語などメジャーな言語は対応できる翻訳者も豊富ですが、希少な言語ほど対応できる翻訳者が少なく、金額も高めになる傾向があります。
希少言語では金額だけでなく納期も通常より長くなるため、依頼の際はスケジュールにも注意が必要です。
翻訳ボリューム
翻訳者は正確な翻訳を行うために綿密なリサーチをしながら翻訳を進めます。作業が進むにつれて文書理解やリサーチ知識が溜まっていくので翻訳速度が上がることが多く、量の多い翻訳の方が翻訳効率は高くなりがち。
そのため、翻訳会社によっては量の多い翻訳に「ボリュームディスカウント」として値引きを行う場合があります。
反対に、翻訳する量がごく少量でもリサーチは必要なので、ある程度の時間はかかってしまいます。そのため、「原文〇〇文字以下は一律△△円」というように一定量以下の翻訳にミニマムチャージ(最低料金)が設定されている場合があります。
翻訳スケジュール
納期が極端に短い場合、追加で「特急料金」を請求される場合があります。
短納期の場合、翻訳会社は早急に対応できる翻訳者を確保しなくてはならず、場合によっては進行中のプロジェクトをストップしたり原稿を分割して複数名の翻訳者を割り当てたりと、大きな負荷がかかるためです。
時間が足りないためやむを得ず翻訳後のチェックを省くことになるなど、短納期対応は翻訳品質へも影響を及ぼします。
オプション工程
希望する翻訳の仕様によっては通常の翻訳工程に加えてオプションの追加工程が組み込まれ、その分費用が加算されます。
・一般的な作業工程
翻訳→校正→DTP(レイアウト調整)→最終確認→納品
・オプションでネイティブチェックを追加
翻訳→ネイティブチェック→校正→DTP(レイアウト調整)→最終確認→納品
依頼する翻訳会社を選ぶ際の確認ポイント
翻訳料金は適切か
料金設定は翻訳会社によって異なります。提示された翻訳料金が適切かを判断するために、複数社に見積もりを取って比較検討しましょう。
金額が他社に比べて安すぎる場合、校正が含まれていなかったり機械翻訳レベルの低品質な駆け出し翻訳者に翻訳させていたりする可能性もあるため、安さだけで判断するのは危険です。
依頼する専門分野の実績は豊富か
翻訳会社によって得意とする分野が異なります。
中にはあえて対応分野を限定して、特定の専門性に特化している会社も。大手の翻訳会社であれば幅広い範囲に対応していることがありますが、必ずしも「対応できる=高品質」というわけではありません。
依頼の際は原稿の分野に対して豊富な翻訳実績があるか、事前にホームページなどで確認しましょう。
依頼したい翻訳言語に対応しているか
翻訳会社の中には多言語を得意とする会社もあれば英語など特定の言語に特化することで専門性を高めている会社もあり、対応可能言語はさまざまです。
事前にホームページで確認したり担当者に問い合わせたりして、希望の言語に対応可能か確認しておきましょう。
ネイティブチェックに対応しているか
読みやすさや自然な訳文など、品質を重視する場合にはネイティブチェックが欠かせません。
対応してもらえない場合は別の翻訳会社に依頼し直さなくてはならなくなるため、ネイティブチェックに対応できるかは事前に確認しておきましょう。
品質管理体制は整っているか
翻訳した訳文の品質をチェックする品質管理体制は、翻訳会社においてはとても重要。通常は校正者や社内の品質管理者などが確認しますが、会社によっては校正が通常工程に入っていない・翻訳者による自己点検のみという場合もあります。
どのような品質管理を行っているのかを事前に確認し、体制が整っている会社に依頼しましょう。
翻訳の目的にあった柔軟な対応が可能か
品質重視、納期重視、コスト重視など、翻訳の目的によって組まれる工程は異なります。
納期重視なら複数名の翻訳者で分散して対応する、品質重視なら能力の高い翻訳者を割り当てネイティブチェックも加えるなど、目的に合わせて適切な工程を提案してくれる翻訳会社を選びましょう。
翻訳コーディネーターの対応は迅速・丁寧か
翻訳コーディネーターとは、翻訳会社においてクライアントと翻訳者をつなぐ役割を果たし、プロジェクト全体を管理するプロジェクトマネージャーのこと。原稿の内容を確認して適切な専門性を持った翻訳者を割り当て、目的に合わせた翻訳工程を決めるため、翻訳コーディネーターの腕前は翻訳の品質に直結します。
見積もり依頼に対して返信が遅い・適切な専門知識がないなど信頼できないコーディネーターに任せるのはリスクが高いため、依頼前のやり取りで対応力を見極めましょう。
翻訳の目的を明確に伝える
目的に合わせた翻訳工程を組むために、翻訳物の使用目的や想定読者などは必ず伝えましょう。
目的を明確に伝えることで「品質」「納期」「価格」のバランスや目的に合わせて最適な工程を検討してもらえます。
参考資料があれば提供する
合わせてほしい表現や用語など、参考にできる資料があれば事前に提供しましょう。用語集やスタイルガイド、過去に翻訳した資料や類似資料など、資料を参照してもらうことで翻訳の品質を向上できます。
資料を提供する際は、具体的に資料のどの部分をどのように参考にしてもらいたいかまで詳しく伝えるのが品質アップのポイントです。
納期にはなるべく余裕を持つ
高品質な翻訳のためには、適切な翻訳者を割り当てて翻訳後のチェックを十分に行う必要があります。
納期が短いと適切な翻訳者を確保できなかったり、やむを得ず翻訳後のチェック工程を省いたりする等、品質に影響を及ぼします。なるべく納期に余裕を持って依頼しましょう。
無料トライアルを利用して品質を確認する
翻訳会社によっては、少量であれば無料でトライアル翻訳をしてくれる場合があります。
初めて依頼する翻訳会社で品質が不明な場合は、トライアルで事前に品質確認をすることで「こんなはずじゃなかった」というミスマッチを防げます。
翻訳サービスの種類
クラウド型翻訳サービス
クラウド型の翻訳サービスとは、いわゆるクラウドソーシングを活用した依頼方法。企業はクラウドソーシングを通して翻訳依頼をすることで、登録している個人の翻訳者に発注できます。
翻訳会社に依頼するより納期が早い傾向があり、費用も安く抑えられるというメリットがあります。
ただし、クラウドソーシングに登録している翻訳者の品質はバラバラ。そのため、品質の確保が難しく、対応する翻訳者によっては低品質な翻訳に仕上がったり納期になっても翻訳が納品されなかったりといったリスクがあります。
翻訳会社(再委託型)
再委託型は、多くの翻訳会社が該当する翻訳サービス形態。クライアントから依頼を受けた翻訳会社は、自社に登録している個人の翻訳者に翻訳を再委託します。翻訳者への発注や作業工程の管理、品質のチェックまですべて翻訳会社で行ってくれるため、依頼者の負担はほとんどありません。
翻訳会社は多くの登録翻訳者を抱えているため、多様な分野や量の多い翻訳、急な依頼にも対応できるというのが大きなメリット。
一方で、依頼者が翻訳者と直接コンタクトを取ることができないというデメリットもあります。
翻訳会社(社内翻訳型)
翻訳会社の社員である社内翻訳者が対応する翻訳サービスです。
依頼者と翻訳者が直接やり取りできるため細かい要望を伝えやすく、高品質の訳文が仕上がります。
ただし、社員の対応可能量には限界があるためキャパシティが限られてしまい、納期が長くなったり急な翻訳依頼に柔軟に対応できなかったりする可能性があります。
フリーランスによる翻訳サービス
クラウドソーシングなどを通さず、直接個人のフリーランス翻訳者と契約をする方法です。
翻訳会社を介して依頼するとどんな翻訳者が翻訳をしているのかはわかりませんが、個人の翻訳者と直接契約をすれば、品質の確かな翻訳者を厳選できるというメリットがあります。
ただし、あくまで個人のキャパシティに頼ることになるため、対応できる分野や言語、翻訳量は限定されてしまいます。
機械翻訳サービス
機械翻訳サービスは誰でも簡単に使えて、一瞬で翻訳が仕上がるというメリットがあります。
ただし機械翻訳の精度はまだ完璧ではなく、訳抜けや誤訳、数字や略語のミスなど特有のエラーが発生する危険があるため、使用には注意が必要。また、無料の機械翻訳サービスは入力した情報が外部に漏洩する可能性があるため、機密性の高い文書を翻訳する場合には、セキュリティがしっかりした有料版の翻訳サービスなどを利用することをおすすめします。
格安で高品質の翻訳サービスを利用するなら
翻訳価格の高い安いは依頼する翻訳原稿の分野や専門性、作業工程によって変わります。安いという理由だけで翻訳会社を選んでしまうと、目的に合った翻訳品質とは程遠い仕上がりになってしまうことも。
株式会社ケースクエアは、安さと品質を兼ね備えた翻訳会社。英訳と和訳に特化しており、英訳ではネイティブが英文翻訳の作成に関わることでネイティブチェックありと同等以上の品質を実現しています。それでいて、1文字8円~という格安料金で依頼が可能です。
品質確認のための無料トライアルも可能なので、お気軽にお問い合わせください。