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有価証券報告書を始めとするIR・財務の翻訳での注意点とは?

IR・財務翻訳の対象である、英文開示が求められる資料

IR・財務文書のうち、海外投資家などに英文開示が求められる文書の種類と各文書の注意点をまとめました。

有価証券報告書

有価証券報告書は、株式を発行する上場企業が投資家などに向けて開示する企業情報のこと。企業の概況・事業の状況・財務諸表などがあり、投資家に有用な情報を開示して適切に投資判断してもらうことを目的としています。

有価証券報告書は、金融商品取引法によって株式を発行する企業などに開示が義務付けられている「法定開示文書」の1つです。

注意点

勘定科目の用語や会計用語は特定の概念や意義があり、そのまま英語に置き換えただけでは誤訳になる可能性があるため、翻訳の際は会計用語などについての専門知識が必須。

一度ベースを翻訳すれば次回以降は追加箇所や更新箇所のみの翻訳で済むことがほとんど。翻訳作業をサポートするソフトウェアである「翻訳支援ツール」を活用すれば、更に効率的に翻訳できます。

財務諸表

有価証券報告書の1つである財務諸表は、企業の財政状況や経営成績を投資家や債権者などに開示するもの。
特に、以下の3つをあわせて「財務三表」といいます。

  • 貸借対照表:企業の財政状態を見るための書類
  • 損益計算書:企業の損益状況を見るための書類
  • キャッシュフロー計算書:現預金など、企業のキャッシュの流れを示す書類

注意点

財務諸表の翻訳はわずかなミスも許されないため、正確性が重要。
また、翻訳者は勘定科目の用語や会計用語、日本と米国などの会計基準などについて詳しく理解している必要があります。

決算短信

決算短信は上場企業が決算内容の要点をまとめた書類で、企業の財務情報や経営状態が分かるものです。

決算結果の速報となるため、投資家にとっては非常に有益。すべての上場企業は作成・開示することが法律で義務付けられています。

注意点

分量が多く、迅速な対応を求められるため、納期が厳しくなりがちです。
納期に間に合わせるために複数名で分割して翻訳することもしばしばあります。そのため、訳ブレを防ぐために用語集やスタイルガイド(表現や表記に関するルールブック)を用いて各翻訳者へ指示事項を確実に共有しておく必要があります。

IR説明会資料

IR説明会資料とは、株主や投資先を検討している投資家に投資の判断材料にしてもらうため、自社の概況や事業状況を説明する資料を指します。

注意点

内容の正確さだけでなく読みやすさや分かりやすさも不可欠。
ネイティブが読んでも違和感のない自然な表現にするため、ネイティブの作業者が訳文をブラッシュアップする「ネイティブチェック」を入れることを推奨します。

適時開示資料(決算短信以外)

適時開示資料とは、決算情報・業績予想・会社の決定事実・損害の発生・代表者の異動など、投資判断に重要な影響を与える会社情報のこと。
上場企業は金融商品取引所の規則に基づき、重要情報を適時開示することが義務付けられています。

注意点

企業の業績や事業状況、戦略などをタイムリーに把握して投資判断を行うため、迅速・正確な翻訳が求められます。

アニュアルレポート

アニュアルレポートとは、企業が年度末に任意で製作・発行する、経営内容や財務情報、トップメッセージや事業紹介などをまとめた年次報告書のこと。
投資判断を促す目的で、株主や投資家、金融機関などの関係先に配布されます。

注意点

分量が多く、訳文に違和感があったり分かりづらい表現だと投資家の企業分析に大きなマイナス影響となるため、機械翻訳での対応は困難。抜け漏れなく翻訳し、ネイティブチェックを入れて自然な表現にする必要があります。

コーポレート・ガバナンス報告書

コーポレート・ガバナンス報告書とは、その名の通りコーポレートガバナンス(企業統治)の状況について記載した報告書のこと。
上場企業は適時開示制度の一環として証券取引所に提出を求められています。

注意点

コーポレート・ガバナンス報告書は英文開示していない企業もありますが、海外投資家から開示を求める需要が多い文書のひとつ。英文開示のタイミングの遅れを指摘する声が挙がる可能性もあるため、迅速な対応が求められます。

株主総会招集通知

株主総会を開催するにあたって、株主に事前送付する株主総会の内容通知が「株主総会招集通知」。
事前に株主に準備の機会と出席・議決権行使の機会を与えることが目的です。

注意点

英文開示を希望する投資家が多く、正確で迅速な翻訳が必要。翻訳時には正確性だけでなく、表記の統一や自然な表現といった読みやすさも重要なポイントです。

IR・財務翻訳とは

IR・財務翻訳とは、IR情報や企業の財務情報を翻訳することです。

上場企業は、投資判断に重要な影響を与える会社情報を定められた期間までに開示するよう法律で義務付けられています。そのため、英語圏の投資会社や株主、投資家向けに英文版を開示するためには翻訳が必要になります。

IR・財務翻訳の対象文書は、有価証券報告書やIR説明会資料・経営方針・会社情報・ニュースレターなど多岐に渡ります。専門的な知識や間違いのない正確性が不可欠なため、翻訳の難易度は高め。 更に、英文開示の遅れは海外投資家からの評価や投資行動に影響を及ぼすため、スピーディーな翻訳も求められます。

英文は和文と同時開示するのが望ましいですが、翻訳作業には時間が掛かるため、和文開示の同日中や翌日以降の開示となる場合も。
また、非常に機密性の高い文書を扱うため、情報が第三者に漏れないセキュリティ面にも十分な配慮が必要となります。

IR・財務翻訳の対象文書

  • 決算短信
  • IR説明会資料
  • 有価証券報告書
  • ニュースレター
  • ESG報告書
  • アニュアルレポート
  • コーポレート・ガバナンス報告書
  • 株主総会招集通知
  • 中期計画その他の長期戦略資料
  • 報酬及び人事ポリシー
  • 定款
  • 決算説明会や株主総会などの議事録 など

IR・財務翻訳を依頼できる翻訳会社の選び方

翻訳会社によって得意分野・不得意分野があるため、IR・財務翻訳を翻訳会社に依頼する際は、分野の実績や専門性があるか事前に確認が必要です。
慎重に翻訳会社を選ばないと、「品質が悪い」「納期に間に合わない」「情報が漏洩する」といった大きなトラブルになる危険も。

翻訳会社に外注する際は、以下のようなポイントに注意して依頼する会社を選びましょう。

IR・財務分野の専門性がある翻訳者がいるか

IR・財務翻訳には金融関連の専門知識が必須。日本語圏と米国圏では用いられる会計用語が異なる場合もあり、翻訳者は両国の会計基準を深く熟知していなくてはなりません。
専門性を持った翻訳者の有無や、IR・財務翻訳の実績は必ず確認しておきましょう。

セキュリティ体制がしっかりしているか

IR・財務翻訳は企業にとってもっとも重要な公式書類のひとつ。機密性が高く情報漏洩は絶対に許されないため、依頼する翻訳会社のセキュリティ体制や機密情報の扱い方などを事前に確認しておく必要があります。
必要に応じて機密保持契約を締結しましょう。

スピーディーな対応が可能か

海外投資家にタイムリーに情報を提供するため、IR・財務翻訳は時間との勝負。
定められた期日までに情報を開示する必要があり、遅れると信用に関わる重要な問題となります。翻訳の納期感や見積もり対応の早さなど、スピーディーな対応が可能な翻訳会社かを確認しましょう。

ネイティブチェックは対応可能か

社長メッセージなどのメッセージ性が強いものは、英文でも正確なニュアンスで伝える必要があります。直訳調だとニュアンスが伝わらず、誤解につながる場合も。
原文のニュアンスまで正確に訳文に反映するため、ネイティブチェック対応の翻訳会社に依頼しましょう。

翻訳支援ツールに対応可能か

翻訳支援ツールとは、翻訳作業をサポートする様々な機能を有したソフトウェアのこと。過去のリリースとの整合性を保ちつつ更新された箇所のみを翻訳したい場合は、翻訳支援ツールの機能「翻訳メモリ」や「用語集」によって正確で効率的な翻訳が可能です。
納期やコストを抑えられる翻訳支援ツールに対応可能な翻訳会社を選びましょう。

IR/財務文書を翻訳会社へ依頼する際の注意点

用語集を提供する

限られた納期内でボリュームの大きな文書を翻訳するため、場合によっては翻訳を複数の作業者で手分けすることもあります。
そのため、統一感のある翻訳に仕上げるためには用語集の提供が効果的。重要な用語は事前に用語集としてまとめておいて依頼時に添えれば、複数人数による翻訳時も訳ブレを防げます。

スタイルガイドを提供する

スタイルガイドとは、文章上の表記方法や決まりごとなどをまとめたルールブックのこと。スタイルガイドで定めておく表記ルールには下記のようなものがあります。

  • 通貨単位の表記(15 million yen /¥15 million など)
  • 会計年度の表記(fiscal year 2023/FY2023 など)
  • 日付(【アメリカ式】12/24/2023、【イギリス式】24/12/2023 など)
  • 勘定科目 など

訳文の表記がバラバラに仕上がってくると、読み手に読みにくさや誤解を与える可能性があり、後からそれらの表記を修正するのは大変な労力が必要です。
事前にスタイルガイドを作成して表記のルールなどを決めておけば、表記の統一を図れます。

過去のリリースなど、参照すべき情報を提供する

過去のリリースなどの参照すべき資料を翻訳会社に提供することで、整合性や統一性を保てます。
参考資料を提供する場合は、具体的にどの部分をどの程度参考にしてほしいか明確に伝えましょう。資料が複数ある場合は優先順位も明示する必要があります。

機械翻訳に頼らない

一瞬で翻訳を仕上げてくれる機械翻訳は大変便利ですが、その精度はまだまだ不完全。
数字の抜けや間違い・訳抜け・誤訳など、機械翻訳特有のエラー発生も多いため、正確性が求められるIR・財務翻訳に機械翻訳を使用するのはリスクが高いでしょう。

機械翻訳を使用する場合は、人間によるチェックが不可欠。チェックの際は、機械翻訳がしやすい特有のミスについて理解していなくてはなりません。

専門性が高くて迅速なIR・財務翻訳をプロに依頼するなら

IR・財務翻訳は高い専門性と正確性に加えて迅速な対応が求められるため、難易度が高めの翻訳。翻訳の際は専門性のあるプロの翻訳会社に依頼することをおすすめします。

株式会社ケースクエアはIR・財務分野において豊富な実績を持ち、高い専門性と経験を持った翻訳者を揃えています。
機密主義のポリシーを徹底しており、機密守秘義務契約の締結も可能。原則365日・24時間対応しているので、必要な際にすぐにご依頼いただけます。
完全無料のお見積りはケースクエアまで、お気軽にお問い合わせください。

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